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辛い心を全部話して欲しいんだよ。今度はわたしが力になりたいの

「隣に座っていい?」


 一人にするのが心配なくらい、おじいちゃんの様子がおかしいよ?


「ん? あぁ、座れ、座れ」


「えっと……何かあったのかな? 元気が無いね」


「ん? そうか?」


「心配になっちゃうよ」


「……んん。なぁ、ぺるぺるはベリアルがあの……化け物の姿になった時……どう思った?」


「え? あぁ……ムキムキでかっこいいと思ったよ?」

 

「……そうか。でも自分が産んだ子があんな容姿だったら……嫌だよなぁ?」


「おじいちゃん……わたしはハデスとの子供がどんな容姿でも大切に育てるよ?」


「ぺるぺるなら……そうするだろうなぁ」


「おじいちゃん? どうしたの?」


「んん。じいちゃんはまた意地悪しちまった。ベリアルを傷つけちまったんだ」


「おじいちゃん? ……ベリアルをあのムキムキの姿にしたのはおじいちゃんだったの?」


「……そうだ。じいちゃんは心が腐ってるんだ。だから……またあの子に会いたくなって……そのせいでベリアルを泣かしちまったんだ」


「おじいちゃん……?」


「じいちゃんは……バカだなぁ。本当に大バカだ。あんな事するなんてなぁ……全部じいちゃんが悪いのに……」


「おじいちゃんは……えっと……何をしたかったの?」


「あの子が……帰ってきたらって……またあの時みてぇに暮らせたらって……」


「おじいちゃん……?」


「じいちゃんは……あの子を……息子を……追い出して……命まで奪ったんだ……じいちゃんは……バカだなぁ。悪いのは全部じいちゃんなのに……今になって、第三地区の皆にこんな事をしてベリアルまで傷つけて……じいちゃんは……ダメな奴だ……」


「……おじいちゃん?」


「じいちゃんが嫌いか?」


「おじいちゃんを嫌いになるはずがないよ?」


「ぺるぺる……」


「おじいちゃん……もう赦してあげて?」


「ん? 何をだ?」


「おじいちゃん自身を赦してあげて? お願いだよ……」


「ぺるぺる……じいちゃんは赦されねぇ事をしたんだ」


「すごく反省して傷ついて……おじいちゃんの心が壊れちゃいそうで心配なんだよ」


 ダメだ。

 涙が出てきちゃった……


「ぺるぺる……」


「おじいちゃんの思っている事を全部話して? 心の中にある思いを全部吐き出してよ。そうしないとダメだって教えてくれたのはおじいちゃんだよ? わたしはおじいちゃんのお陰で今こうやって前を向いて生きられるようになったの。おじいちゃん……お願いだよ」


 お願いだから、一人で抱え込まないで……

 おじいちゃんがわたしを支えてくれたようにわたしもおじいちゃんの力になりたいんだよ。


「こんな……じいちゃんを……赦してくれるんか? じいちゃんはお前に……酷い事を……」


 ……お前?

 わたしの事……? 

 今までそんな風に呼ばれた事なんて無かったのに。

 おじいちゃんはわたしの中に誰か違う人を見ている?

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