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いつも賑やかな吉田のおじいちゃんが静かだと心配になるよね

「はあぁぁぁ……疲れたぁぁ。でも、すごく心がポカポカするのは『ジャック』が素敵な国だったからだね」


 心が洗われたよ。


「そうだな。マリーとジャックも喜んでいたしな。ヨータが勇者として頑張ったからあの国は今幸せなんだな」


 ベリアルが群馬からお兄ちゃんを連れてきて勇者にしたんだよね。

 すごく反省して何度もお兄ちゃんに謝っていたけど今では良い鳥仲間になったよね。

 二人で楽しそうに話している姿は激かわでニヤニヤが止まらなくなっちゃうんだ。

 ぐふふ。


「そうだね。でも……代々勇者の名前がジャックなのは何でなんだろう?」


「さぁな。たぶんだけど、最初の勇者が貴族でその名が『ジャック』だったんだろ? それを貴族も平民も真似して『ジャック』って名前をつけ続けていたら、次の勇者も『ジャック』だったって事だろうな。貴族が平民の名を真似する事は無いからな」


 ふふふ。

 賢いヒヨコちゃんもかわいいね。

 ぐふふ。

 ぐふふふ。


「お前……気持ち悪っ! また、いかがわしい想像をしたな? この変態め! もう寝るからな。勝手にニヤニヤしてろ」


 あぁ……

 また呆れられちゃったよ。

 でも、超絶かわい過ぎて我慢できないんだもん!


「じゃあ、ばあちゃん達も寝るから。明日も朝早いからなぁ。ニヤニヤしてないで、ちゃんと寝るんだぞ?」


 おばあちゃん達にも夜更かしさせちゃったね。

 申し訳ないよ。


「うん。じゃあ今日は幸せの島に泊まる日だから、また明日ね? おやすみ」


 ハデスはドラゴンの島から帰ってきたかな?

 ゆっくり第三地区から幸せの島に繋がる橋を渡ると波の音だけが聞こえる。


 ……吉田のおじいちゃんは、さっきもいなかったね。

 ドラゴンの島に行っている感じでもなかったよね。

 どこに行ったんだろう?

 おばあちゃんの事が大好きだから出て行ったりはしないだろうけど。

 ベリアルがムキムキの姿になった時……吉田のおじいちゃんがやったのかなって一瞬思っちゃった。

 

 吉田のおじいちゃんは追放した息子さんとずっと一緒にいたんだよね。

 父親だって名乗れずに苦しかっただろうな。

 息子さんが亡くなってからは魔族として一人で暮らし続けていたのかな?

 どんな気持ちで暮らしていたのかを考えただけで苦しくなるね。

 吉田のおじいちゃんが優しい人だっていう事は群馬でもずっと見てきたからね。

 天界にいたペルセポネの時もずっとファルズフの毒から守ってくれたし。


 ……?

 あれ?

 吉田のおじいちゃんは天界に出入りしていなかったはずなのにどうしてペルセポネが毒を飲んでいた事を知っていたんだろう?

 今思えばファルズフだけの力で神様の娘のわたしに毒を盛り続けるなんてよくできたよね?

 それに、どうしてわたしにだけ会いに来てくれていたの?

 群馬にまで来てくれて……

 全部わたしの為に?

 今だってそうだし、ルゥの時だってマンドラゴラとして一緒に暮らしていたよね?

 ……?

 なんだろう。

 モヤモヤする?


「あれ? おじいちゃん?」


 幸せの島のガゼボに吉田のおじいちゃんが一人で座っている?


「ん? あぁ……ぺるぺるか」


 ……?

 いつもと様子が違うね。

 何かあったのかな?

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