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ずっと一緒に(2)

「……ぺるぺる、その事なんだけどなぁ」


 え?

 吉田のおじいちゃん!?

 いつの間に!?

 全然気配を感じなかった……って、ええっ!?

 なんでまた裸なの!?

 一応初代の神様なんだよね!?

 ハデスも絶句しているよ?


「あぁ、おじちゃん。また裸踊りをしていたの?」


 事実を知らないお父さんも呆れているね。


「んん? ついてるのが嬉しくてなぁ」


 吉田のおじいちゃん……

 なんだか、かわいそうになってきたよ。


「ベリアルが元気がねぇから裸踊りでも見せてやろうかと思ってなぁ」


 そういえば、ベリアルは天族の姿の吉田のおじいちゃんと一緒に天界に行ったんだよね?

 おじいちゃんが天族だって気づいたのかな?

 

「それで、吉田のおじちゃんはヴォジャノーイ族の頃のハデスの身体について何か知っているの?」


 お父さん……

 もう裸に慣れてきて『服を着て』とも言わなくなったね。


「んん。天ちゃんがハデスちゃんの前の身体を預かったっていうのは、ぺるぺるから聞いていただろ?」


 話したかな?

 あぁ……心の声かな?

 あの頃はマンドラゴラの姿で、まだ幸せの島にいた頃だっけ?


「……うん」


「この前なぁ、第三地区の探検をしてたら『いいもの』を見つけたんだ。今から見に行くか?」


 いい物?

 何かな?


 お父さんとヴォジャノーイ族のおじちゃん達も一緒に付いて来る事になった。

 第三地区へ向かう道で、吉田のおじいちゃんが話し始める。

 

「天ちゃんは後先考えねぇからなぁ。置き場所に困ったんだろ。でも、悪い奴じゃねぇんだ。それだけは分かってくれ」


 吉田のおじいちゃん……

 一応お父様は孫だから、庇ってくれているね。

 それにしても、田中のおじいちゃん(お父様)と吉田のおじいちゃん(おじい様)は似ていると思っていたけど、祖父と孫だったからなのかな?

 それとも、神様になると皆こうなっちゃうのかな?

 でも、ブラックドラゴンのおじいちゃんはこうじゃないから……

 やっぱり血かな?

 ……ハデスにも同じ血が流れているのか。

 あれ?

 わたしもか……

 いつか……こうなるのかな?

 いや、わたしはすでに変態……かな?

 うーん。


「着いたぞ? ここだ」


 ここ?

 島の奥だね。

 この辺りは大きい岩がたくさんあるから普段は誰も来ないんだよね。

 

「吉田のおじいちゃん? いい物って……?」


「ぺるぺる、このでかい岩をどかしてくれ」


「え? でも、わたしはもうルゥの身体じゃないから……」


「大丈夫だ。やってみろ?」


 うぅ……

 ルゥはオーク族のパパに、赤ちゃんの頃から育てられていたから怪力だったんだよね。

 今は病弱だったペルセポネの身体だから……

 でも、吉田のおじいちゃんの言う事はいつも正しかったし。

 よし!

 やってみよう!


 わたしより大きい岩を抱え込むようにして持ち上げてみる。


 ……!?


 嘘でしょ!?

 軽いんだけど!?


「デメテルから聞いたんだけどなぁ。ヘラもヘスティアもペルセポネの育児の手伝いをしてたらしいんだ。だからいつの間にか怪力になってたんだろうなぁ」


「ええっ!? 病弱だと思っていたよ? ……まさか、いろんな事をできなくする為に強い毒を飲まされていたのかな?」


「……そうだなぁ」


 ファルズフはわたしを利用しやすいように毒で押さえつけていたのか……

 

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