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闇の魔法石の作り方?

「では出発しましょう」


 マリーちゃんとジャックの国にはベリス王も一緒に来る事になったんだよね。

 ベリス王は午前中にその国に行って王様と話をしてきたらしいんだ。

 レースをリコリス王国の市場から持って行って、ベリアル用の日傘とボンネットを作らせたんだって。

 元々宝石の加工をしていたからすごく器用だったらしい。

 小さい宝石が縫い付けてあってキラキラして綺麗だったな。

 これなら、リコリス王国の市場の皆も、マリーちゃんとジャックの国の人間も、かなりの儲けが出そうだね。


「じゃあ、出発だな。あれ? ハデスは?」


 ベリアルがお菓子を食べながら捜しているね。

 いつもお見送りしてくれているからね。


「あぁ、ドラゴンに闇に近い力を分けてあげているみたいだよ? 卵が産まれそうなドラゴンが、初産らしくて大変みたいなの」


「なるほどな。ん? じゃあ、魔族なら闇の魔法石に魔力を入れる事ができるんじゃないか?」


 ベリアルの言う通りだね。

 でも、それはないんだよね。


「魔族は魔法石に『風とか水』の力を入れる事はできても『闇の力』を入れる事はできないんだよ。ハデスは闇に近い力を魔族にあげられるけど、魔族が産まれながらに持っているのは『闇の力』じゃなくて『風とか水』の力だからね。闇の力を持っているわけじゃないんだよ。でも、魔族は元々闇の立ち位置だから闇の力を注入されると元気になるみたいだね」


「ふぅん。じゃあ、ハデスなら闇の魔法石を作れるって事か」


「ハデスが人間にそんな親切をすると思う?」


「……あり得ないな」


「そういう事だよ。それに、闇の精霊達もそんな事には力を貸さないからね」


「そうなのか?」


「うん。皆恥ずかしがりやさんだからね。それに、人間の中にも闇の力を持つ者はいないみたいだし、いたとしても闇にやられて亡くなるみたいだよ?」


「結局、誰も闇の魔法石を作れないって事か」


「うん。鍛錬の島にあった闇の魔法石もハデスが危ないからって第三地区の皆にあげなかったくらいだからね。ちなみにその魔法石はヴォジャノーイ族だった頃に闇の上位精霊のシェイドに作らせたみたいだよ? それにしても……人間が危ない物を作り出せなくて良かったよ。でも、神力を入れて魔法石を作ろうとしていた先々代のアルストロメリア王とは違って、マグノリア王とデッドネットル王は魔法石に直接闇の力を入れようとしているみたいだね」


「少し前までは神力を入れて魔法石を作ろうとしていたようですが今は、やり方を変えたようですね。それに、国や時代によって作り出す方法は様々なようです。といってもまだ成功した事は無いようですが」


 ベリス王は色々と知っているみたいだね。


「ベリス王は、王様がどんな風に魔法石を作ろうとしているかを知っているのかな?」


「はい。今は魔素を液体化して魔法石を浸けているようです」


「……え? その方法で闇の魔法石が作れるの?」


「無理でしょうね。魔素は魔族が亡くなった後に出るモヤのような物です。それ自体に闇の力はありませんから」

 

「せっかく浄化したのに……魔素を保存していたんだね?」


「人間はなんとも愚かです。あれほどぺるみ様が苦労して浄化したというのに」


「でも、誰かが犠牲になっていなくて良かったよ。ココちゃんのおばあさんみたいな目に遭わされていたらかわいそうだから。その魔法石の作り方なら危なくないのかな?」


「魔素を液体化する事自体魔族はしないのでなんとも言えませんね」


 ベリス王でも分からないのか。

 後で第三地区に皆が集まった時に相談してみようかな?


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