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ロングヘアになった王様も素敵だね

「満腹だぁ……」


 ベリアルはずっと食べていたんだね。

 お腹がパンパンだよ。

 

「じゃあ、王様達を送ってから帰ろうか」


 夜にはマリーちゃんとジャックの国に行かないと。

 それで今日の予定は終わりだね。

 すごく長い一日だったよ。


「そうだな。誰から送るんだ?」


 ベリアルが専用の椅子であお向けに寝っ転がりながら尋ねてくる。


 そうだった。

 マグノリア王とデッドネットル王に訊きたい事があったんだ。


「じゃあ、アルストロメリア王から送ろうか」


「ええ!? 一番最後が良かったです!」


 最後なら空間移動でやられた目を治す為に三回治癒の力を使ってもらえるからね。

 かなり毛量が増えるはずだし。


「あぁ……えっと……そうだ! アルストロメリア王にお願いがあるの。何でか分からないけど治癒の力を使うと毛量が増えるようになっちゃって。誰か実験に付き合ってくれる人間がいないかなって……」


「ええ!? いいのですか!?」


「うん。危なくはないの。治癒の力だからね。むしろ体調が良くなるはずだよ?」


「お願いします! お礼はいくらでも!」


「お礼なんていらないよ? 実験に付き合ってもらうんだから。じゃあ、やるね?」


「はいっ!」


 おぉ……

 すごく良い返事だね。


「うーん。頭頂部に触りながら力を使うとどうなるのかな? 触ってもいい?」


「はいっ! もちろん!」


 ……初めての感覚だね。

 こんな触り心地なのか。

 今はまだ頭皮が見えているね。


「じゃあ、やるよ?」


 やり過ぎないように、少しずつゆっくりとね。

 お?

 生えてきたね。

 おぉ……

 元々生えていた髪は伸びないんだね?

 どういう事?

 

「すごいな! 肌艶まで良くなってるぞ! けぷ」


 ベリアル!?

 けぷ!?

 くぅぅ!

 満腹の姿もかわい過ぎるよ!

 ぐふふ。

 

「あ! ペリドット!?」


 え?

 お兄様?

 どうしたのかな?

 

「ああ! しまった! 王様、ごめんね」


 ベリアルのかわいさに見とれて力の調節を間違えちゃった。

 薄毛だった所だけ腰まで髪が伸びちゃったよ。


「おおぉぉぉお! これは夢の長髪! あぁぁぁ! 生きてて良かったあ!」


 喜んでいるね。

 サラサラのロングヘアの、ふくよかで笑顔の素敵な王様か……

 なかなかかわいいね。

 

「王様! 似合っているよ! すぐに王妃様が見つかるね! 皆が王様に夢中になるよ。だってかわいいもん! 三つ編みとかも似合いそうだよ? ね! お兄様?」


「え? あ……うん。かわいい……ね。うん」


 ん?

 あれ?

 お兄様には、かわいく見えないのかな? 

 こんなにかわいいのに。

 よく見たら他の王様達も軽くひきつり笑いをしているね。


「え? 本当ですか? 帰国後すぐに妃選びに入ります!」


 これでアルストロメリア王国の未来は安泰だね。

 従者も喜んでいるよ。


「じゃあヒヨコちゃん、王様達を送ってくれるかな?」


「うん。任せろ。じゃあ、アルストロメリアからだな。兄ちゃんと宰相、お菓子旨かったぞ。また来るからな」


 あぁ……

 ベリアルはきちんとお礼ができて偉いね。


「あぁ……ぴよたん……行かないで……」


 宰相は、ベリアルが大好きなんだね。

 ベリアルも楽しそうだし、これからはたくさん会いに来よう。

 

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