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お兄様への公女の気持ちが重すぎたと知る

「ほぉ……見事ですなぁ。カップの持ち方も優雅で見とれてしまいます」


 ふふふ。

 マグノリア王に褒められちゃったよ。

 ルゥだった時は、じいじだったハデスにみっちりしごかれたからね。

 それに天族のペルセポネの記憶が戻ってからは昔のマナーも思い出したからもう完璧なんだよ。

 天族はマナーにうるさいから、神様の娘としてはきちんとしないといけなかったんだ。


「えへへ。ありがとう」


「マナーは、どなたから?」


 マグノリア王は笑顔だけどやっぱり狡猾な感じがするね。

 探りを入れられているのかな?


「夫である前ヴォジャノーイ王だよ?」


 まぁ嘘ではないよね。


「ほぉ、魔族ではありますが……さすが王族ですな」


 ハデスは天界でマナーを身につけていたから正確には天族のマナーだけどね。


「うん。夫は勉強家で、色々知っているの。すごく優しいんだよ?」


 わたしには……だけど。

 あ、でも姉弟にも優しいよね。

 お父様にはそうでもないかな?

 ポセイドンにもそうでもないか。

 女性に優しいっていう事かな?

 紳士……うーん。

 暗殺とかをしているから紳士は違う?

 あ、第三地区の皆にも優しいよね?

 

「『黄金の国ニホン』は『幸せの島』なんだね」


 お兄様が優しく微笑んでいるね。

 安心したようにも見える。

 お兄様は幸せの島に来た事があったよね。

 また来て欲しいな。

 第三地区で眠っているルゥにも会って欲しいし。


「うん。今まで通り賑やかに楽しく過ごしているよ?」


「そう。良かった。安心したよ。前ヴォジャノーイ王は相変わらず優しくしてくれているんだね?」


「うん。前よりもっともっと優しくしてくれるよ?」


「そうか。ペリドット……もう会えないかと思ったよ」


「……わたしもその方が良いかと思っていたの。でも、夫が言ってくれたの。会わないで後悔するより会って後悔する方がいいって。後になってあの時会っていればって思っても遅いからって」


「前王らしいね。常にペリドットを一番に考えてくれるんだよね?」


「……うん。色々あったけど、わたし今すごく幸せだよ?」


「そうだね。見ていて分かるよ」


「……お兄様は疲れているね。心配だよ」


「あぁ……今日からは楽になるよ」


「今日からは? 何かあったの?」


「……公女だよ」


「公女? 誘拐犯の孫の?」


「朝晩と騒ぎ立ててね……困り果てていたんだ。何度諭そうとしてもまるで聞き入れてくれなくて」


「騒ぎ立てる?」


「王宮の外で大声で叫んだり無理矢理入り込もうとしてね」


「はあ!? どうして捕まえないの?」


「大国の公女がそんな罪で捕まったら国の恥だからね。でも、今回は貴族や平民の前で自らを聖女だと偽り、王妃に内定したとも言っただろう? 二度と王宮に近づかないと約束させたんだ。司教が神様に誓わせてくれてね。これでぐっすり眠れるよ」


「うわぁ……公女ってば怖すぎるね。……それだけで済ませたの? 処刑してもいいくらいの罪だよね?」


 いくら公女でも、まさかそれだけで赦されるなんていう事はないよね?

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