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鳥の形のクッキーがこの世界にも誕生しました

「うぅ……変態じゃないもん。変態じゃないんだもん」


「はいはい。そうだな。よし! 片っ端からお菓子のお店に行くぞ! ほら、ぺるみ歩け!」


 うぅ……

 ベリアルに軽くあしらわれているよ。


「ははは! 姉ちゃんはおもしろいね。オレの家のクッキー食べて? 今日はヒヨコ様の形にしたんだ」


 ジャックは本当にかわいいね。

 

「ヒヨコちゃんの形? うわあぁ! 楽しみだよ」


「勝手に作って怒らない?」


「ふふ。ヒヨコちゃんはそれくらいじゃ怒らないよ?」


「良かった。すごくかわいいんだよ? オレも手伝ったんだ!」


「ジャックは偉いね。じゃあ、ヒヨコちゃんの分とわたしの分と、あとアカデミーの友達の分も二つだから四つもらおうかな? いくらかな?」


「うん! えっといくらかな? 母ちゃん、四つだといくら? そんなにいっぱい一度に買ってくれる人なんていないから分からないよ」


「えっと……いくらかな? 母ちゃんにも難しいよ」


 そうか、この世界は一部の人間しか学校に行けないんだ。

 大人だからって計算できるわけじゃないんだね。


「大丈夫だよ? ひとつずつお金を払うからね」


「うん! えへへ。ありがとう。字は簡単な物なら読めるようになったんだよ? 王様が絵本をくれたから。でも計算は難しいんだ」


「そうなんだね」


「困った時は市場の相談役に訊いてるんだ」


「相談役は皆から頼られているんだね」


「うん! そうなんだよ。えへへ」


「ジャックは嬉しそうだね」


「うん! 大好きな相談役が褒められて嬉しいんだ!」


 市場の人間達は皆で助け合っているんだ。

 すごく素敵な関係なんだね。


「うわあぁ! かわいいヒヨコちゃんのクッキーだね」


 日本の有名なあのサブレみたいだよ。

 

「えへへ。食べてみて?」


「うん!」


 おぉ……

 サクッとして素朴なおいしさだね。

 懐かしいおいしさっていうのかな?

 バターとかをいっぱい入れてあるクッキーもおいしいけど、贅沢な物が入っていないクッキーもおいしいよね。

 何枚も食べたくなっちゃうよ。


「どう? おいしい?」


 ふふ。

 ドキドキしている顔だね。

 かわいいよ。


「ジャックとお母さんの作ったクッキーはすごくおいしいよ! かわいいし、おいしいし最高だね」


「本当に!? じゃあさ……『神様の使い様のおすすめクッキー』って名前で売っていい?」


「え? あはは! もちろんいいよ。じゃあ、一度にたくさん売れた時用に『二つ売れたらいくら』とか紙に書いておいたらどうかな? たくさん買ってくれる人間を待たせなくて済むでしょ?」


「難しくない?」


「うん! 数字が難しかったら絵を描いてもいいんじゃないかな? クッキーの袋二つの横に銅貨何枚とかね? そうすれば絵を見ながらできるでしょ?」


「それなら数字が読めなくてもできるね! 姉ちゃん、教えてくれる?」


「ふふ。もちろん。でも……わたし絵が……下手なの。だから絵はジャックが描いてくれるかな?」


「え? そうなの? 見てみたいよ!」


「……やめた方がいいぞ。ぺるみの絵はとにかく怖いんだ。前にオレを描いた時は怖くて泣きそうになったぞ? サクッ。モグモグ」


 ベリアル!?

 そんな話をしないでよ!

 恥ずかしいんだから!


「あの……姫様、オレ達にも教えてくれますか?」


 市場の皆も?

 そうだね。

 市場の全てのお店に個性的な料金表があったらおもしろいかも!


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