表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/1484

新しいグリフォン王

「まぁまぁ、いいじゃねぇか」


 吉田のおじいちゃん……

 いや、おじい様?

 でも、吉田のおじいちゃんの姿だし。

 たぶん、第三地区では吉田のおじいちゃんでいたいんだろうね。


「吉田の……おじいちゃん」


「んん? なんだ? ぺるぺる?」


「あ……えっと……ベリアルがなんで怒っているか分からないの」


「んん? そうだなぁ。すぐに機嫌は直るさ」


「うぅ……抱っこして吸いたいのに……」


「ははは! そうかそうか。あっちに、ぐりほんの新しい王が来てるぞ?」


「え? あっち? 魔王城?」


「星治に呼び出されたみてぇだなぁ」


「呼び出し? どうかしたのかな?」


「うーん。新しい、ぐりほんの王は、まだまだ赤ちゃんみてぇだなぁ」


「赤ちゃん? 大きかったけど?」


「甘やかされて育ったんだろ。(いや、厳しく育てられた……?)」


「グリフォンのお兄ちゃんもパートナーさんも優しいからね」


「優しい……か。種族王だからなぁ。傘下に入る魔族達が暴れださねぇといいけどなぁ」


「……種族王が変わるっていう事?」


「魔族は弱けりゃすぐに王の座から引きずり下ろされるからなぁ。強くても自分勝手なワガママなら誰も付いてこねぇさ。前のぐりほんの王は皆に慕われてたからなぁ」


 吉田のおじいちゃんはお父様とは違ってしっかりしているんだね。

 さすがは最初の神様だ。


「……グリフォンのお兄ちゃんは、自分とパートナーさんが近くにいると新しい王様が甘えちゃうと思って旅に出たのかな?」


「それもあるだろうなぁ。(あの母親は怖いからなぁ。かわいそうだから父親が気を遣ったのもあるしなぁ)」


「……今、魔王城でお父さんに叱られているのかな?」


「うーん。どうだろうなぁ。でも、口で言ったくらいで性格が変わるはずがねぇからなぁ」


「性格が悪いっていう事?」


「うーん。自分が一番強いと証明してぇみてぇだなぁ。なんなら今すぐ魔王になろうとしてるみてぇだぞ? (魔王になって母親に怒られねぇようにしてぇんだろうなぁ)」


「……お父さんの闇の力を見た事が無いのかな。あれは、すごかったよ?」


「そうだなぁ。あれを見ればすぐ大人しくなるだろうなぁ。まぁ結局は世間知らずの甘えん坊ってところだなぁ。星治も本気で相手にはしねぇだろう」


 お父さんは優しいから攻撃はしないだろうけど……

 あれ?


「……今、一瞬だけ古代の闇の力を感じたね」


「星治が、かるーく世間の厳しさを教えてやったんだろ?」


「……グリフォン王、怖くて泣いていたりして」


「……だろうなぁ。行くなら今だぞ? 慰めると見せかけて撫でて吸い放題だ」


 吸い放題!?

 あのかわいいグリフォン王を!?


「うわあぁ! やったぁ、急がなくちゃ! ハデス、魔王城に行ってくるね?」


「一緒に行こう」


 心配したハデスが、わたしの方に歩いてくる。


「大丈夫。すぐ戻るから」


 ハデスがいたら嫉妬で怒り狂ってモフモフパラダイスにならないからね。


「いや、ダメだ。何があるか分からないからな」


 え?

 そんな!

 心配してくれるのはありがたいけど、困ったな。

 グリフォン王を撫で回したいのに。

 

「あははは! ハデスちゃんは心配性だなぁ。一緒に行ったらいいさ」


 うぅ……吉田のおじいちゃんはそう言うけど。

 あ、でもお兄ちゃんがグリフォン王の時は撫で回しても怒らなかったし、新しい王様も大丈夫かも。

 新しい王様……すごくかわいかったんだよね。

 お腹を出して寝っ転がってもらうんだ。 

 その後いっぱい吸わせてもらおう。

 えへへ……楽しみだなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ