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もっと筋肉を触っておけば良かった

「ぺるみ……オレもうアカデミーには行けないよ。誰かに代わりに行ってもらってくれ」


 ベリアルは、この筋肉ムキムキの姿が嫌なのかな?

 すごくかっこいいけど。

 ぐふふ。

 この腹直筋ときたら……

 堪らないね。


「うわあぁ! いつまで触るんだよ!?」


「ぐふふ。堪らないね。ぐふふふ」


「まだヒヨコの時の方が良かったあぁぁ!」


 ぐふふ。

 叫ぶベリアルもかわいいね。

 って……あれ?


「うぅ……ぺるみが気持ち悪いよぉ……いつもより気持ち悪いよぉ。ぐすん」


「ベリアル……?」


「なんだよ?」


「ヒヨコちゃんの姿に戻っているよ?」


「え? 何を……あぁぁ! 本当だ! やったぁ!」


「うぅ……こんな事なら、もっと筋肉を触っておけば良かった……」


「はあ!? この変態め!」


「おお! この感じ……やっぱりいいねっ! もう一回変態って言って?」


「……お前、気持ち悪っ!」


「ぐふふ。いいね。もう一回、もう一回!」


「うわあぁん! ばあちゃん助けて!」


「え? もう一回言ってよぉ!」


 ぐふふ。

 堪らないね。

 ……でも、どうして突然大きくなったりヒヨコちゃんに戻ったりしたんだろう?


「あ……ベリアルの壊れたベット、どうしよう」


 今日は幸せの島に泊まる日だから、ハデスと親子で川の字になって寝るのもいいね。


「それでしたらわたしがすぐに作りますよ? 今度は大きいベットを作りましょう。また突然大きくなるかもしれませんから」


 前ウェアウルフ王のお兄ちゃんが材料と道具を取りに行ってくれたね。

 別に明日でも良かったんだけど……

 ベットが小さいとまた壊して今度は怪我をしちゃうかもしれないから急いで作ってくれるんだ。

 今回は怪我が無くて良かったよ。


「オレ、また大きくなるのか? 嫌だよ」


「え? どうして? かっこ良かったけど」


「お前が筋肉をチョンチョン触ってくるからだよ!」


「ええっ!? だって『ピヨピヨピヨたん』だったベリアルがムキムキになったんだよ!? 触らずにはいられないでしょ!? 親として! 親としてぇ! はぁはぁ……」


「お前を親として見た事は無い! はぁはぁするな!」


「ええっ!? わたしのお腹から出てきたんだから、わたしの子でしょ?」


「……嫌だよ。嫌だよぉ! こんな変態が親なんて嫌だよお!」


 ついに認めた!?

 やったぁ!

 でも……


「嫌がるヒヨコちゃんもかわいいね。ぐふふ」 


「気持ち悪っ!」


「仕方ないよ。親なんだから子供がかわいいのは当然でしょ? さぁ吸わせるんだよ! ぐふふふ」


「うわあぁん! ばあちゃん助けて!」


 いつも通りのベリアルだね。

 良かったよ。

 でも不思議だね。

 どうしてあんな事に?

 まさか、吉田のおじいちゃんがやったなんていう事はないよね?

 こんな事には、なんの意味も無いから吉田のおじいちゃんがするはずないよ。

 この島にいる皆は、ずっと一緒に暮らしていたベリアルを絶対に怖がらないし、ベリアルが大好きだから姿が変わったくらいじゃ嫌いになんてならないんだよ。

 元々人間しかいない群馬で暮らしていたのに、この世界に来て初めて魔族を見てもすんなり受け入れるような人達なんだよ?

 うーん。

 本当に成長期だから大きくなったのかもしれないね。

 あとでブラックドラゴンのおじいちゃんに訊いてみよう。

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