表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

267/1484

どうしよう……オレが化け物になった姿を皆に見られちゃったよ

今回はヒヨコのベリアルが主役です。

「ベリアル? ベリアル! どこだ!? 誰か来てくれ! ベリアルがいなくなった!」


 ばあちゃんが叫んでる。

 どうしよう。

 こんな化け物みたいな姿じゃ皆オレだって信じてくれないよ。

 いきなり攻撃されたらどうしよう。

 怖い……

 怖いよ。


「ベリアル! どこだ? 返事しろ!」


 ばあちゃん……

 怖がらないでくれるかな?

 気持ち悪いって言われないかな?

 

「ばあちゃん……ここだよ……」


 ……怖いよ。

 身体が震えて……声も震えるよ。


「ベリアル!? ベリアルなの!?」


 ぺるみ?

 ぺるみもオレを捜しに来たのか?

 ……もうかわいいヒヨコじゃないから、悲しむだろうな。

 お前なんかいらないって言われたらどうしよう。

 行く場所なんて無いのに。


「おばあちゃんの部屋から声が聞こえたよ? ベットが壊れて怪我をしているかも!」


 ぺるみ……

 入ってくるな。

 ばあちゃんの部屋の引き戸を押さえれば入ってこれないかな?


「あれ? 開かない? おばあちゃん、開かないよ?」


「ん? 鍵なんてねぇからなぁ。中から押さえてるんかもなぁ」


「……え? ベリアルが? どうして? ベリアル! わたしだよ? 開けて?」


「どうしたんだ? ベリアル、ばあちゃんだぞ? 開けてみろ?」


 どうしよう。

 すごく心配してるみたいだ。

 でも開けられないよ。

 とりあえず、扉越しに事情を説明しよう。

 いきなりこの姿を見たら怖がるかもしれない。


「……ぺるみ……ばあちゃん……オレ……あの……」


 なんて言ったらいいんだ?

 いきなり化け物になってたって言うのか?

 そんな話信じてくれないよ。

 

「……ベリアル? 声が……」


「どうしたんだ? 喉がおかしいんか?」


 声もヒヨコの時とは違うんだな……

 

「ベリアル……まさか……」


 ぺるみ?

 まさかオレがこの姿になった事に気づいたのか?


「……ベリアル、誰にでもある事だよ? だから気にしなくていいんだよ? 出ておいで?」


 え?

 誰にでもある?

 皆、いきなり化け物になるのか?

 そんな話、聞いた事無いぞ?


「『おねしょ』しちゃったんだね。ベットを壊してまで証拠隠滅しようとするなんて……超絶かわいいよ。ぐふふ」


 ……!?

 おねしょ!?

 このオレが!?

 ぺるみはオレの方がかなり年上だって忘れてるのか!?

 ヒヨコの姿だったから赤ちゃんか何かだと思ってるのか?


「もうっ! かわいいんだからっ! ぐふふ」


「はあ!? オレはおねしょなんてしてないぞ!」


 ……あ。

 引き戸を開けちゃった……


 ぺるみもばあちゃんもオレを見つめている。

 オレを捜しに来た居間にいる皆にもこの姿を見られちゃったよ。

 どうしよう。

 どうなるんだろう。

 いや、そんなの決まってるよ。

 皆がオレを化け物って言うんだ。

 追い出されたらどうしよう。

 怖いよ。

 怖くて皆の顔が見れないよ。

 涙が止まらない。

 どうして、いつも騒がしい皆が話さないんだ?

 そんなにオレは醜いのか?

 怖くて身体の震えが止まらないよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ