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公女断罪(3)

 貴族も平民も見ているし……ちょうど良いね。

 公爵がどんな人間かを教えてあげようかな。


「笑い者とは?」


「か弱い孫娘を大勢の前で侮辱したらしいではないか!」


「か弱い? どなたがでしょう?」


「はっ! これだから小国の王女は、たちが悪い。大国の公女を貶め王妃になろうとは!」


 簡単にひっかかるね。

 こんなのでよく公爵なんてやってこられたね。

 ダメだ。

 真顔でいたいのに口角が上がってきちゃうよ。


「わたくしの国ではか弱い少女は扇子でクラスメイトを殴ったり、暴言を吐いたりはしませんが?」


「なんだと!?」


「本日中にはアカデミーから呼び出しがあるかと……か弱い孫娘様がクラスメイトに毎日暴力を振るっていると」


「なんだと!?」


 お?

 さすがに暴力はダメだと思ったかな?


「公女という地位を使い、好き放題……王女であるわたくしにも暴言を吐きました。リコリス王国には他国の王族を侮辱する風習があるのですか? 先程公爵もわたくしを侮辱しましたし」


「地位の高い孫娘が愚か者を躾ただけであろう。その程度の事でこの公爵であるわたしを呼び出すと? アカデミーはずいぶん偉くなったものだな!」


「その程度の事? 殴られ暴言を吐かれたクラスメイトは酷く傷ついています。孫娘の犯した罪に謝罪するのではなく擁護するとは……」


「良くやったと褒めるのが家族の役割だ! 何も知らん小娘の分際で!」


「先程、地位の高い者が愚か者を躾ても良いと言っていましたね? わたくしは王女です。地位は王族。つまり公爵のお前を躾ても良いという事ですね?」


「小国風情が! 何を偉そうに!」


「小国でも王女は王女。違いますか?」


「王妃になる為にこんな汚い事をする女が王女だと? 笑わせるな」


「ふふ。では躾を始めましょうか? まだ話していない事がありました……わたくしは神様の使いであり……全ての属性の魔術を使う事ができます」


「……愚かな」


 まぁ、そうなるよね。

 群馬で『わたし神様の使いで魔法が使えるんだ』なんて言ったら立派な黒歴史だよ。


「では躾を始めてもよろしいですか?」


「はっ! やれるものならやってみろ!」


「あぁ……そうですね。公爵は公女を聖女だと言ったそうですし、かわいい孫娘の聖女に治してもらえば良いですね。ふふ」


「おじい様! 先程アカデミーで神力が使えました! わたしはおじい様のお話通り聖女でした。それなのに、この女が……」


 おぉ……

 公女、それはわたしがやったんだよ?

 この二人はおもしろいように泥沼にはまっていくね。

 もう首の下まで泥にはまって……あとは頭が沈むだけだよ。

 ゾクゾクするね。


 何度もごめん。助けてくれるかな?


 右手の契約印で氷と風の上位精霊を呼び出す。


(ふふ。もちろんよ! あの人間をれば良いのね?)

(さて、風で包み込みじわじわと息をできなく……) 


 ああ! 

 違う違う! 

 そこまでしなくて良いの! 


(つまらないわね)

(ああ。つまらないな)


 ……えっと、協力はしてもらえるかな?


(ぺるみの頼みならなんでもきくわ?)

(わたしもだ。何をすれば良い?)


 あの憎たらしい……いや、あの人間を竜巻で浮かび上がらせて氷で痛い目に遭わせて欲しいの。

 もちろん死なない程度に。


(ふふ。分かったわ?)

(もっと、こう、バーン! ドーン! みたいのはダメか?)


 今回は相手が人間だからね。

 また次の時にでもドーンバーンしてもらうね?


(いくわよ?)

(任せろ!)


「では躾の始まりです」


 公爵……今までどれだけ酷い事をしてきたのかを思い知れ!

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