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罪の重さを思い知れ(4)

「さすがは冥王ハデスの妻だな」


 ハデスは嬉しそうだね。


「だが、まだ生ぬるいな。わたしが代わろう。こういう時はまず関節を一本ずつ✕✕(ピー)して内臓を✕✕(ピー)から✕✕(ピー)して、脳はその後だ……」


「申し訳……ありませんでした!」

「全て話しますからぁ!」


 おぉ……

 急に素直になったね。

 ハデスなら、やりかねないからね。

 

「あの男は、操りやすくて……だから……」

「わたしは悪くありません! 大天使が全て……」


 ここまできてまだ言い訳するの?

 救いようがないね。

 でも、ブラックドラゴンのおじいちゃんが消滅させていなくて良かったよ。

 じっくり、自分の罪の重さを知る機会を与えてあげるからね。


「お父様……この者達に繋がる全ての罪人を捕らえるべきです。これは神への冒涜です」


「(え?)あぁ……そうだな。この者達を牢に入れ、ただちに屋敷の捜索にかかれ!」


 こうして、二人は捕らえられ屋敷からは盗品やら神殿にあるはずの秘宝やらが大量に出てきたらしい。

 わたしは、二人から吸いとった神力を(気持ち悪いから)返すと、第三地区に向かった。

 お父様もお母様も忙しそうだし、ベリアルにどんな酷い事をさせてきたのかをこの二人の口からは聞きたくなかった。


 ハデスと第三地区に着くと、いつも賑やかな皆が暗い顔をしている?

 どうしたのかな?


「ぺるみ……」


 おばあちゃん?

 元気がないね?


「どうかしたの?」


 さっきまでは、すごく元気だったのに。


「ベリアルが……泣いてるんだ」


「え? だってポップコーンを食べるって楽しそうに……」


「ポップコーンを食べ終わる頃に、見た事がねぇ天使が来てなぁ。ベリアルを連れて行ったんだ」


「え?」


 誰かな?

 ……まさか、おじい様!?

 じゃあ、さっきまでの天界での出来事を見ていたっていう事!?

 それで泣いているの?


「ベリアル……」


「……なんだよ」


「うん……」


 なんて言ったらいいか分からないよ。


「呆れただろ? 全部あいつらから聞いたんだろ?」


「……聞いていないよ?」


「嘘だ! オレの事……嫌いになったか?」


「……わたしは、ベリアルの口から出た言葉だけを信じるよ?」


「え?」


「わたしは……あの二人からは何も聞いていないよ? だって嘘つきだから……」


「ぺるみ……」


「わたしは……今までもこれからも……ずっとベリアルが大好きだよ? もしも……ベリアルに嫌な事を言ってくる奴がいたらこう言って? 『クソヤロー』……分かった?」


「え? ぺるみ……それって……」


「ファルズフの薬のせいでよく覚えていないんだけど……天界で誰かが教えてくれたの」


「……!」


「ぼーっとしていたからよく分からないんだけど……確か馬の頭に胴体はキュウリで足が短くてしっぽがナスなの!」


「はあ!? お前……(オレがそんな風に見えていたのか?)」


「え? なに?」 


「うわあぁん! オレの初恋ぃぃ!」


「え? ベリアル!? なんで逃げるの!? 『はじこいつ』ってなにぃ!? まさかわたしが恥だっていう事!?」


「うわあぁん!」


 こうして……ベリアルは、なぜかしばらくご機嫌ななめだった。

 

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