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神殿が絵本で儲けたお金をベリス王が吸いとる構図が出来上がった瞬間……?

「見て? リコリス王と同じイヤリングをしているわ?」

「まさか、お妃に内定したとか?」

「確かに綺麗だけど一体誰なの?」


 うーん。

 貴族の女性達が騒ぎ始めているね。

 お兄様は人気があるみたいだから嫉妬が怖いよ。


「(ペリドット様、そろそろ始めますので、あの貴族達も静かになります。もう少しの辛抱ですよ?)」


 司教が心配してくれたみたいだね。

 でも、お兄様とルゥがひとつずつイヤリングを形見分けされた事を知っている人間もいるからね。

 今、この会場でわたしが元聖女のルゥだって皆にばれるかもしれないね。

 

「うん。ありがとう。先生の姿が見えないけど、どうかしたのかな?」


「救世主様は今、身支度を整えている最中でして……あぁ……はぁ……」


「ん? 司教?」


「あぁ……はい。救世主様にご自身で衣装を選んでいただこうと考えたのですが……なんといいますか……はい……」


「先生が変な服を選んだっていう事?」


「……あぁ……いえ……独創的……といいますか……はい」


「よほどすごいんだね。でも、ローブを着せちゃえば隠せるんじゃない? 先生は魔法使いに憧れていたみたいだし素敵なローブなら、着たがるんじゃないかな?」


「おお! それは名案です! 早速素敵なローブを……あぁ……今すぐには用意できません……困りました。あの姿では……」


「あの姿? どんな姿なの?」


「はい……あの踊りには正式な衣装があると……布切れを腰に巻いただけの……といいますか……」


「あぁ……ふんどしだね。あの踊りを教えたのはわたしの知り合いなんだよ。四大国の王様の前でもふんどし踊りをしたんだよ……」


「え? そうだったのですか?」


「……うん。司教も大変だね」


「ペリドット様も……」


「「はぁ……」」


 司教と同時にため息が出たね。


「ヒヨコちゃんが先生に『ローブが似合う』って言ったら着るんじゃないかな?」


「あぁ、確かに。ヒヨコ様、ローブが用意できたらお願いできますでしょうか?」


「ん? いいぞ? あれ? あそこ……」


 ベリアルがかわいいパンみたいな翼で遠くを指したね。

 知り合いでもいたのかな?


「あ……」


 ベリス王が人化しているね。

 こっちに手を振っている?

 反対の手には……

 おぉ……

 あれはたぶんローブだね。

 水晶で見て慌てて誰かに空間移動してもらったんだね。

 神殿が相手ならいくらでも高価な物を売りつけられるからね。


「えっと……知り合いの商人がローブを持っているみたいなんだけど……」


 こんなに都合良く現れたら怪しまれないかな?

 いきなり欲しかったローブを持って来たらおかしくない?


「なんと! 助かります。四大国の王様達をこれ以上待たせるわけにはいきません! ぜひお願いします! あのほぼ裸体で登場されたらリコリス王の時とは違う悲鳴が響き渡る事になります……」


 司教も大変だね。

 何が大変って……

 ベリス王にロックオンされた事だよ。

 これからは気づかないうちにじわじわとお金を吸いとられていくんだろうね。

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