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罪の重さを思い知れ(3)

「お前達の罪は全てここに記されている」


 え?

 お父様が持っているあの本は……

 先代の神様の、ブラックドラゴンのおじいちゃんの書斎にあったっていう本?

 どうしてお父様が持っているの?


「この本には、先代の神が神の座についてからの天族の犯した悪事が全て書かれてある。だが、兄ハデスの側付きの者が追放された同日に書き始められた物の為、その件については詳しくは書かれていなかった」


「……では、その本には我らの事は何も書かれていないのですね?」

「書いてあったとしても……我らは無実ですから」


「そうか。無実か」


「はい。我らは常に正しく生きております」

「その通りです」


「……面倒だな。締め上げればすぐに話すだろう」


 ハデス……それはそうだけどお父様にも考えがあるみたいだし。

 ん?

 あれ?

 お父様?

 確実に頭が真っ白になっている顔だよ!?

 まさか、もう何もないの!?


 うぅ……

 でも、ここまですごく頑張ってくれたね。

 ありがとう。

 あとはわたしに任せてね。


「皆様、お久しぶりです。神と豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネです」


「(ペルセポネ……ごめんね)」


「(よく頑張ったね。ありがとう。お父様)」


「では、わたくしからもお二人に尋ねたい事があります」


「はい。なんなりと」

「我らにやましい事はありませんので」


「ふふ……そうですか。わたくしが一番嫌うものは……なんだと思いますか?」


「……分かりません」

「今その話が関係あるのですか?」


「……お忘れのようなので……教えてやろう。わたしは冥王ハデスの妻ペルセポネだ! 以前の病弱なわたしとは違うのだ! 愚か者が!」


 右手を伸ばして手のひらに集中する。

 ベリアルにやった時みたいに神力を吸い取ってみよう。

 でも、ヒヨコちゃんになったからって赦してやらないけどね。


「うぅ……」

「何を!?」


「楽に死ねると思うなよ。神を愚弄する者は……自ら死を懇願する程の苦しみを与えてやろう」


 かわいいベリアルは、やりたくもない事をずっとやらされていたんだよ?

 絶対に赦せないよ。


「ペルセ……ポ……うぅ」

「おやめ……くだ……」


「やめろ? 誰に向かって言っている? そこまで愚かだとは……いい事を教えてやろう。このまま神力を吸い尽くされると……どうなると思う?」


 かなり偉そうにしちゃっているけど……

 こんな変態でも、一応神様の娘で冥王の妻だからね。


「……分かりま……せん」

「どうか……命だけは」


「……嫌がって逃げても何度も捕らえられ、脳を吸い取られ……身体中血まみれになり、そして悲鳴をあげる。お前達はそれが永遠に続く道に進むのだ!」


 嫌がるベリアルを無理矢理掴まえて後頭部に吸い付いてスーハーして……

 興奮し過ぎてわたしが出した鼻血でベリアルが汚れちゃうんだよね。

 ベリアルは『うわあぁ! やめろぉ!』

 って悲鳴をあげているから……

 嘘はついていないよ?

 でも、この二人には絶対に吸い付かないけどね。

 ベリアルにはかわいいからするんだから。

 この二人は全然かわいくないよ!


「ペルセポネ……(怖いよ)」


 お父様……

 そんな怯えた瞳で見ないで?

 残念ながら昔のかわいいペルセポネはもういないんだよ?

 今のわたしは月海るみでありルゥでありペルセポネなんだから。

 さぁ、しっかり罪の重さを思い知らせてあげるよ。

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