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家庭訪問の時の先生との無言の時間は気まずいよね

「うわあぁ! 見た事無いお菓子だ! クッキーの上にジャムが乗ってるのか? いただきますっ! モグモグ……うまあぁぁい!」


 ぐふふ。

 ベリアルはすっかりご機嫌だね。

 超絶かわいいよ!

 

「ははは! ヒヨコ様はかわいいですなぁ。おかわりもたくさんありますよ。パンケーキはいかがですかな?」


 マグノリア王もベリアルにメロメロだね。


「パンケーキ!? シロップが染み込んでしっとりしたところが大好きなんだ!」


 あぁ……

 かわい過ぎるよ。

 毎日パンケーキを作ってあげたくなっちゃうよ。


「ではたっぷりシロップをかけましょう。ははは!」


「うわあぁい! モグモグ……」


 ぐふふ。

 かわいい。

 あ……そうだ。


「マグノリア王は、いつ吉田のおじいちゃんと友達になったの?」


 この前会った時かな?


「ん? 昨日じいちゃんが遊びに来てからだ。白いヒヨコちゃんと一緒になぁ」


 え?

 いつの間に?


「ヨシダ殿は愉快な踊りで我々を楽しませてくださいました。ははは!」


 確かに前の時もマグノリア王はあの踊りを喜んで見ていたよね。

 でも、先生も同じ踊りだけど平気なのかな?

 精霊に属性検査をしてもらう時の踊りなんだよね?


「この踊りは我が家に代々伝わるモノなんだ。精霊と仲良くなれる踊りなんだなぁ。じいちゃんには精霊は見えねぇけどなぁ」


 なるほど。

 そういう設定なんだね。


「あの……ヨシダ殿は我がアルストロメリアの伝説の天使様なのでしょうか? あの……天使様の子孫なのでしょうか?」


 アルストロメリア王は本当に天使様を尊敬しているみたいだね。


「ん? じいちゃんには分からねぇなぁ。ずいぶん前の事なんだろう?」


 ベリアルにクッキーを食べさせながら吉田のおじいちゃんが話し始めたけど……

 お父様と違って、おじいちゃんはちゃんとしているから大丈夫だよね?


「はい……頭が三つあるお犬様に乗り、我が国を救ってくださったのですが……」


「うーん。そういえば、遠い親戚が頭が三つある犬に乗って何かしたって聞いたなぁ。この前、じいちゃんが乗ってた犬はその子孫だぞ?」


 まあ、嘘ではないよね。

 その天使様はわたしの腹違いのお兄さんだし、あの時おじいちゃんが乗っていたのは冥界から追放されたケルベロス族の子孫だからね。


「なんと……やはりそうでしたか……あぁ……胸が熱くなって……涙が……」


「あはは! そうかそうか……胸が熱いか……冷たい物でも飲め」


 うーん。

 吉田のおじいちゃんはマグノリア王の身体を心配して来てくれただけじゃなさそうだね。


「「「……」」」


 誰も話さないね。

 ……家庭訪問の時の先生とおばあちゃんとの無言の時間みたいに居心地が悪いよ。

 皆、何を話そうか考えているのかな?

 気まずいね。


「モグモグ……」


 ベリアルはずっと食べているね。


「あぁ……ヒヨコちゃんはおいしそうに食べているね。えっと……お菓子をたくさんありがとう」


 なんでもいいからマグノリア王に話してみよう。

 無言だと気まずいったらないよ。


「あぁ……いえ……お気になさらずに……」


「「「……」」」


 また皆黙っちゃった……

 気まずい……


 ん?

 でも、よく見たら皆、何か話したい事がありそうだね?

 話しにくい事かな?

 それとも皆同じ事を言おうとして誰かが先に話してくれるのを待っている……とか?

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