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キラキラの宝石を身につけたヒヨコちゃん……最高にかわいいはずだよ!

「想像上の神様……? では、聖女様は何をなさろうと?」


 王様が首を傾げているね。

 ちょっとかわいいかも。

 って、そうじゃなくて……


「うん。水を塞き止めた国の王様は平民を道具みたいに扱っているらしいの。死者もでたみたいだし……その事にアカデミーの子が心を痛めてね? この事実をお兄様に話してみたらって言ったら『もし隣国の王様が全部平民のせいにしたら、隣国の平民が今よりも酷い目に遭うから自分達で水問題を解決したい』って言ったの」


「なるほど……あの国の民らしい考えですね」


「水の魔法石をあげてもそれは新たな火種になりそうだし、わたしが水をひとつの国にだけ降らせても周りの国は良く思わないでしょう? 水を塞き止めた国もきっと生活は苦しいはずだよ? だからそんな意地悪をしてでも収入が欲しかったんだよ。魔素がなくなって今度は違う問題が……違うね。本当に解決しないといけない問題が見えてきたんだよ」


「その場しのぎではダメだという事ですね?」


「うん。今だけじゃなくて長期的に考えないといけないの。アカデミーの子の国は宝石の加工職人がたくさんいるらしいんだ。でもデザインが古いってバカにされて売れないらしくて。それなら、宝石に詳しい商人に間に入ってもらえば状況はかなり改善されると思うの」


「ですが、見込みのない商品でしたら、商人は手を貸さないはずです。宝石を作っても売れなければ……」


「大丈夫。商売の天才がいるの。もしかしたらもう、動いているかもね」


「動いている……ですか?」


「うん。今日の神聖物のお披露目と明日の属性検査の会場で、かわいい子がその宝石を身につけていたら……あっという間にその宝石に貴族達が群がるはずだよ」


「かわいい子……ですか? それは聖女様でしょうか?」


「え? わたし? あはは! わたしはかわいくなんてないよ。かわいい子は……ほら、今クッキーを食べたい誘惑と戦っているヒヨコちゃんだよ」


 ふふ。

 バスケットに入ったクッキーをじーっと見ているね。

 かわい過ぎるよっ!


「ヒヨコ様……ですか? 聖女様の方が宝石が映えるような……」


「世界一かわいいヒヨコちゃんがキラキラの宝石を身につけたら……くぅぅ! 堪らないねっ!」


 想像しただけで鼻血が出そうだよ!

 ぐふふ。 


「聖女様……今までとずいぶんと印象が違いますが……楽しそうでなによりです」


「うんっ! すごく楽しいよ! だってヒヨコちゃんが皆からかわいいって言われるとすごくすごーく嬉しいんだもん! ぐふふ」


「あぁ……はい。なによりです……はい……確かにヒヨコ様はかわいいですね」


 あれ?

 王様に呆れられちゃったかな?

 でも、おしゃれしたベリアルを見られるなんて最高に幸せだからね。

 くぅぅ!

 楽しみだよ!

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