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わたしだけが変態じゃないっていう事なんだよね?

「よし! バスケットにお菓子を全部入れたな? じゃあ出発だ! 残りはばあちゃん達と食べるんだ! えへへ」


 くぅぅ!

 ベリアルはおばあちゃん孝行だね。

 最高だよ!


「ヒヨコ様……ええと……空間移動……でしたか? それは、痛くはありませんか?」


 王様は空間移動に失敗すると身体が二つに裂ける事を知っているんだよね。

 まぁ、確かに怖いよね。


「ん? 一回も失敗なんてしてないぞ?」


 だろうね。

 失敗したら今ここにはいないからね。


「……そう……ですよね……」


 うわぁ……

 王様も従者も顔色が悪いね。


「大丈夫だ! オレ様を信じろ!」


 ……!?

 オレ様……

 久々に聞いたね。

 会ったばかりの頃は、たまに言っていたけど……

 ぐふふ。

 このかわいい容姿で『オレ様』……

 堪らないね。

 ぎゅうぅって抱きしめたくなるよ!


「ところで……聖女様は体調が優れないのですか?」


 あ……

 もしかして空間移動のせいだと思ったのかな?


「ん? こいつは変態だからだ。空間移動のせいじゃないぞ?」


 ベリアル!?

 

「ちょっと、やめてよ! ばらさないでよ!」


 はっ!

 しまった!

 これじゃあ、肯定した事になっちゃうよ。


「聖女様が変態? まさかそんな……聖女様は凛々しく清らかで……」


 うぅ……

 わたしは凛々しくて清らかなイメージだったのか。

 ただの、ど変態なのに……


「ぷはっ! ぺるみが!? あははは! こいつはただの変態だぞ?」


 ベリアル!?

 ここぞとばかりに暴露しているね。

 日頃のわたしの変態行為への仕返しかな?


「まさか……そんなはずはありません。そうですよね? 聖女様?」


 今、否定したら嘘つきになるよ。

 でも肯定したらただの変態だよ?

 うーん。

 でも……わたしはベリアルに対してだけの変態だから……

 今変態じゃないって嘘をついたら、大好きなベリアルの存在を否定するのと同じだよね?


「王様……わたしは……ヒヨコちゃんへの愛が抑えられないの! ヒヨコちゃんがかわい過ぎて吸ったり撫でたりしたくなっちゃうの!」


 呆れられちゃったかな?

 でも、ベリアルへの気持ちに嘘をつきたくないんだよ。

 

「なんと……ヒヨコ様への愛……それは……変態ではありません。当然の欲求です! わたしも許されるのであれば吸ったり撫でたりしたいですし」


 おぉ……

 王様もやっぱり同志だったんだね。


「え? 嘘だろ? ここにも変態がいたのか」


 ベリアルはドン引きしているね。

 残念だったね。

 王様から『変態をやめろ』って言わせたかったんだろうけど。

 ベリアルのかわいさの前では皆が『吸いたい、撫で回したい』って思うんだよ。

 わたしだけが変態じゃないっていう事だね。

 きっと、世界中の皆がベリアルのかわいさの虜になるんだよ。

 ぐふふ。

 とりあえず『全種族ベリアルアイドル化計画』は明日の属性検査の時にする劇から始める事にしよう。

 全種族がベリアルにサイリウムペンライトを振る日は近そうだね。 

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