表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/1484

罪の重さを思い知れ(1)

 というわけで、神様のお父様の権限で中流以上で神様の親族以外の天族が緊急召集された。

 一応公平に見せる為に箱の中にクジを入れて引かせる事にした。

 もちろん、ばれないようにベリアルをいじめていた二人に当たり(ハズレ? )を引かせるように小細工をする手はずになっている。

 初代の神様であるおじい様は陰から見ているって隠れちゃったね。

 大事なところが切り落とされたって言われるのが嫌なんだね。

 一体何をしたらそんな事になったのかな?


「緊急召集とは? 何か問題でもありましたかな?」


 おぉ!

 なんか偉そうな感じの天族がいっぱい集まってきたね。

 やっぱり、皆若いね。

 前の世界の絵本の、おじいさんみたいな天族は一人もいないよ。

 どれがベリアルをいじめていた二人かな?


 広い会場に神様とその三人の姉、冥王のハデスに、神様の娘のわたしが揃っている事に召集された天族がざわついている。 

 わたしもハデスもしっかり着飾らされたね。

 でも天界にはコルセットがないみたいだから助かったよ。

 

「皆、集まったか? 我が兄、冥王ハデスが冥界に復帰した記念に、召集された中の二人に祝いの『品』を授ける事にした」


 お父様が、ちゃんとした神様に見えるよ。

 やればできるんだね。

 かっこいいよ!


「今から、この箱の中から一人一枚ずつ紙を取るように。印が付いている紙を引いた者がその対象だ」


 このくじで当たりを引いた二人が悪者か……

 おじい様が陰から、ばれないように神力で細工をするらしいからね。


 ウリエルが箱を持って、召集された天族に順番に引かせると喜ぶ声が聞こえてくる。


 あの二人か……

 ハデスの復帰祝いがもらえるのがそんなに嬉しいんだね。

 すごーく良いものがもらえるからね?

 ふふふ。


「では、訓練場に移動しよう」


 お父様が右手をあげると、くじ引き会場にいた全員が空間移動先にいる。

 すごいね。

 かなりの人数なのに一瞬で皆を空間移動させる神力があるんだ。

 普段はあんなだけど、さすがは神様だね。

 


「訓練場……ですか?」

「一体何をいただけるのですか?」


 ふーん……

 害がなそうな顔をして、かわいいベリアルを苦しめていたんだね。


「では、始める」


 ハデスの低い声が訓練場に響き渡る。


「え? 何を?」

「始めるって?」


 ハデスの闇に近い神力が二人を包み込む。


 ヴォジャノーイ族だった頃は無理矢理精霊を呼び出して火とか雷とかの力を使って鍛錬させられたけど、今は天界だから精霊は呼び出せないのか。

 ハデスの力は闇に近いからね。

 この二人にはかなり辛いはず。

 でも、ベリアルはずっと辛かったんだよ?

 身体も心も限界だったはず。


「「一思いに楽にしてください!」」


 はい、言った!

 ベリアルをいじめた罰だからねっ!

 ざまあみろ!


 なんだ、一分ももたなかったね。

 こんなに弱いのにベリアルをいいように使っていたなんて。

 どうしてベリアルは言う事を聞いていたのかな?


「何が一思いなのだ? 消滅したいという事か?」


 あぁ……

 ハデス。

 他の人なら脅し文句かなって思うところだけど、ハデスは本当にそう思っているんだよね?

 昔から本当にまっすぐな人だね。


「消滅!? 違います違います」

「そう言えば赦していただけるかと……」


「……口からでまかせを? この冥王ハデスを愚弄しているのか? 死にたいようだな」


 ……本当にまっすぐだね。

 でも、とめないからね。

 こいつらは、長い時間ベリアルを苦しめてきたんだよ。

 絶対に赦せないよ。

 自分の手は汚さずに、嫌な事をベリアルに全部押し付けて苦しめていた罪の重さを思い知れ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ