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ベリアルのかわいさに腰を抜かした上に鼻血まで垂らす姿を人間には見せられないよ

「今のは一体?」

「あれ? どなたですか?」


 あぁ……

 見つかっちゃったね。


「あの……勝手に入ってごめんなさい。えっと……」


 ダメだ。

 もしかして、わたし腰が抜けているのかな?

 全然立てないよ。

 

「……もしかして……その……ヒヨコ様?」

「陛下の大切なお客様の『ヒヨコ様』と『ドラゴンと共に暮らす少女様』ですか?」


 え?

 わたし達を知っているの?


「あ……うん。えっと……そうなんだけど……恥ずかしい話なんだけど……腰が抜けちゃって」


 あぁ……

 恥ずかし過ぎるよ。


「大変だ! とりあえず、こちらの椅子に……」

「お手をどうぞ」


「ありがとう。恥ずかしいよ……」


 椅子を持ってきてもらってなんとか座ると、二人いた料理人の一人が王様に知らせに行ってくれる。


「ドラゴンと共に暮らす少女様は体調が優れないのでしょうか? もしよろしければレモネードでも……スッキリするはずです」


「レモネード? なんだ? それ? 旨いのか?」


 ベリアルがつぶらな瞳をキラキラ輝かせているね。

 くぅぅ!

 堪らないね。


「ヒヨコ様……すぐにできますのでっ! すぐですっ!」


 おぉ……

 この料理人もバスケットから顔を出すベリアルにメロメロになっているね。

 慌ててガチャガチャ調理し始めたよ。


「うわあぁ! 何かな? 何かなっ? 甘いかな? 酸っぱいのかな?」


 ぐふふ。

 堪らないね。

 

「できましたっ! ですが……ヒヨコ様はコップを使って飲むのでしょうか? スプーンを使いますか?」


 確かにくちばしだからね。


「大丈夫だ! ストローがあるからな!」


 前ウェアウルフ王のお兄ちゃんに作ってもらったんだよね。

 得意気にストローを持ち上げているヒヨコちゃん……

 ぐふふ。

 今日はベリアルパラダイスだね。

 鼻血を出さないように気をつけないと。

 腰を抜かした上に鼻血まで垂らした姿を人間に見られるわけにはいかないからね。


「ストロー? その棒をどう使うのですか?」


「こうするんだ!」


 ストローをコップにいれるとチューチュー吸い始める。


「おぉ! これは素晴らしい! どういう仕組みですか? 不思議です」


 こんな細い棒の中に空洞があるなんて分からないよね。

 ……今水晶で見ているベリス王が商売にしようと動き出している姿が目に浮かぶよ。

 

「仕組み? そんなの知らないぞ? でも、このジュースが旨いのは分かるぞ! チューチュー」


 ……!?

 なんていうかわいさなの!?

 このかわいさだけで、ご飯三杯、パンなら五個はいけそうだよ!

 ぐふふ。

 ぐふふふ。


「ぐふふ」


 あ……

 声に出しちゃったかな?

 ん?

 わたしじゃないよ?

 え?

 料理人があり得ないくらいニヤニヤしている!?

 

「ぐふふ。このかわいさを見ながらパンを五個はいけそうだ」


 ……!?

 なんて事なの!?

 こんな所にも同志が!?

 

 もしかして……

『前種族ベリアルアイドル化計画』を始動させる事ができるんじゃない!?

 超絶かわいいヒヨコちゃんのベリアルが歌ったり踊ったりする姿に、この世界全ての生き物がサイリウムペンライトを振るっていうわたしの夢が叶う日がくるんじゃないの!?


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