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ベリアルがハロウィンの仮装をしたら……想像しただけで鼻血が出そうだね

「では、もう神官達は罪を認めたのですね? しかも、アカデミーの講師が救世主とは……」


 膝で気持ち良さそうに寝っ転がっているベリアルにニヤニヤしながら、公爵が話し始める。


「うん。四大国の犬になる覚悟ができたみたいだね」


「犬……ははは!」


 公爵は神殿が嫌いだったみたいだから嬉しくて堪らないんだろうね。

 

「公爵……わたし、あの司教の事は嫌いじゃないよ? 先生を無理矢理神殿に拐う事もできたのに、そうしなかったの。だからって今までの罪が消えるわけじゃないけどね」


「……なるほど。ペリドット様は神殿にどのようになって欲しいと?」


「うーん。神殿は世界中の人間の……特に弱い立場の民の心の支えなんだよね。だからこれからも、なくならないで欲しいな。信頼を取り戻すには時間がかかるだろうけど、ゆっくり神殿の新しい形を作っていけばいいと思うよ?」


「新しい形……ですか」


「騙されていた王様達は赦してくれるかな?」


「騙されていた事はずっと分かっていましたから、神殿の態度次第ではないでしょうか。それに司教が最後の神力を持つ者ならば罪には問えないでしょうし……」


 公爵も記憶を操作されているんだね。

 今は心を聞く事ができる上位精霊もポセイドンもいないから考えても平気だね。

 吉田のおじいちゃんはすごいね。

 たぶんこの世界の全ての人間の記憶を操作して、お兄様が神力を持っている事を隠したんだ。

 お兄様が持っている神力は魔力だっていう記憶に書き換えられたんだね。


「今から、四大国の王様達を迎えに行くけど、リコリス城に連れて行けばいいのかな?」


「警備の関係もありますのでそうしていただけると助かります」


「大丈夫かな? ヒヨコちゃんはお腹がパンパンだけど行けそうかな?」


「任かせとけ! 今すぐ出発か?」


 ふふ。

 お腹がパンパンで立ち上がれないみたいだね。


「三ヶ所行くからね。できたら今がいいけど、お腹が苦しそうだからもう少し後にしようか」


「大丈夫だ! 今すぐ行くぞ? ぺるみが抱っこすれば平気だ!」


 ぐふふ。

 ベリアルから抱っこして欲しいって言われたよ。


「うん! あ……公爵、このバスケットを預かってもらえるかな?」


 さすがに持ち歩けないからね。


「ああ! ダメダメ! じいちゃんが教えてくれたんだ。バスケットを持って行けばお菓子をいーっぱい入れてもらえるって!」


 じいちゃん?

 吉田のおじいちゃんの事かな?

 ベリアルのつぶらな瞳がキラキラ輝いているね。


「え? そんなハロウィンみたいな事があるの?」


 おじいちゃんは間違えて教えたのかな?


「ん? ハロウィンってなんだ?」


 くぅぅ!

 かわいいヒヨコちゃんが首を傾げているよ。


「一年に一度あるんだよ? 何かの日ではあるんだろうけどよく分からないの。日本では仮装パーティーみたいになっていたし。何かの感謝祭だったのかな? その日に子供が近所の家に行ってお菓子をもらうんだよ? 『お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ』ってね。子供達は仮装してすごくかわいいの。でも本当にいたずらしたらダメなんだよ?」


 ベリアルはいたずらのつもりでも人間にとっては大惨事になるはずだからね。

 先に教えておかないと。

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