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玉座に偉そうにふんぞり返るベリアル……堪らないね

「わたしは、いつも守られてきました。わたしを逃がす為に悪者になってくれた兄に……小さい身体でいつもわたしを笑顔にしてくれた幼いカサブランカに……もしも、わたしがペリドット様を守る事ができるとしたら、それは人から遠ざける事です」


「公爵……」


「どうか……どうか大切な、共に暮らす『家族』といつまでも幸せに穏やかにお過ごしください」


「……見守るよ。ずっと……この世界を……」


「寂しい別れを何度も繰り返すでしょう。寿命のある大切な『人』を何度も見送る事になるでしょう。ですが……わたしを……いつかわたしを見送る時は……泣かないでください。そうです……ナッツのタルトでも食べながら……わたしの思い出話でもしてください」


「……ありがとう。公爵……」


「わたしも……何人も大切な人を喪いました。もっと長い時を生きるペリドット様は……どれ程辛い思いを……」


「……人間とは距離をおくけど、お兄様やシャムロックのおばあ様とは……お兄様が結婚するまでは会うつもりだよ?」

 

「ペリドット様……それでは別れが辛くなります」


「うん。わたしもそう思っていたの。でもね? 一番大好きな……大切な家族に言われたの。『絶対に後悔するから会うべきだ』って『人間は短い命だから、亡くなった後にもっと会っておけば良かったって泣かないように』って……」


「後悔……わたしも……後悔ばかりです……長く生きてきましたから……その分、後悔も多いのです」


「公爵、わたしね? その時が来たら絶対泣くし、絶対落ち込むだろうけど……でも……後悔しないように……お兄様達に会うよ。だから……公爵にも会いに来ていい?」


「ペリドット様……わたしにも……?」


「嫌かな?」


「……嬉しいです。とても……嬉しいです。『年の離れた友』そう思ってもよろしいのでしょうか?」


「友達……ふふ。うん。素敵な友達ができてすごく嬉しいよ」


「……オレは? じいちゃん、オレも友達か?」


 ずっと公爵の膝で静かに話を聞いていたベリアルが話し始める。


「ヒヨコ様……嬉しいです。もちろんヒヨコ様も大切な友です」


「えへへ。オレ、人間の友達なんて初めてだ!」


「なんと! ヒヨコ様の初めての友が、このわたしとは! 感激で……頬擦りが止まりませんっ!」


「うわあぁ! やめろ! ジョリジョリするよ! じいちゃあああんっ!」


 おぉ……

 公爵の髭はジョリジョリするのか……

 そういえば公爵も学長もすっかりベリアルに骨抜きにされているよね。

 学長もベリアルに頬擦りしていたし……

 偉い人間全てがベリアルのかわいさにひれ伏せば、世界が平和になるんじゃないかな?

 そうなったら、皆が列をなしてお菓子を運んでくるだろうね。

 玉座で偉そうにしているベリアル……

 ぐふふ。

 想像しただけでよだれが止まらないよ。


「うわあぁ! ぺるみがよだれを垂らしながら何か、いかがわしい想像をしているぞ!? うぅ……じいちゃんの髭が痛いよ! うわあぁん! 誰か助けて! 変態しかいないよお!」


 ぐふふ。

 悲鳴を上げるベリアルも超絶かわいいよっ!

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