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冬の窓際は気持ちいいけど、夏の窓際は暑くて堪らないよね

 昼食後ベリアルを吸ってご機嫌なわたしは、クラスルームに入ると一番後ろの席につく。

 皆の視線は相変わらず痛いけど、そんなのは気にならないくらいにご機嫌なんだよね。

 ふふふ。

 吸われ過ぎたベリアルはぐったりしているね。

 それにしても、窓際の席はかなり暑いね。

 クーラーとか扇風機的な物は無いのかな?

 窓際の席のクラスメイトも暑そうだね。

 前の席の人間にいつもこんなに暑いのか訊いてみようかな。

 でも、わたしはかなり危ない奴だって思われているだろうから、口をきいてくれるかな?


「あの……窓際はいつもこんなに暑いのかな?」


 面倒だしもう敬語はやめよう。


「え? オレ!? オレ、話しかけられた!?」


 かなり慌てているね。

 やっぱりわたしが怖いのかも。


「えっと……わたしが怖いよね? でも、あまりにも暑いから……」


「うわあぁ! 嬉しいですっ! 自分からは話しかけられないし、でも話してみたくて……あの……その聖獣様は……噛みついたりしませんか?」


 貴族の決まり事か。

 自分より身分が高い相手には話しかけてもらえるまで話せないんだよね。


「え? あはは! 大丈夫だよ? ヒヨコちゃんは人間と同じ物を食べているから、さっきもサンドイッチを一緒に食べたんだよ?」


「サンドイッチを!? うわあぁ! あの……撫でてもいいですか?」


 やっぱり、ベリアルのかわいさは種族を越えて共通なんだね。

 でも初めて会った人間だし嫌かもしれないよね。


「仕方ないな。特別だぞ?」


 え?

 いいの?

 くぅぅ!

 ちょっと生意気なヒヨコちゃんも超絶かわいいよ!


「うわあぁ! フワフワで柔らかくて……幸せ」


 ふふ。

 そうだろうね。

 ベリアルはこの世の全てのかわいさを詰め込んだような存在なんだから!

 そして、わたしの息子なんだから!


「ヒヨコちゃんのかわいさを分かってもらえて嬉しいよ」


「さっきまで聖獣様が被っていた帽子もすごくかわいかったです!」


「ありがとう。あの帽子はちょっと汚れちゃったから……でも帽子が無くてもすごくかわいいの!」


 プリン(と、わたしのよだれ)がついちゃったんだよね。


「はいっ! 分かります! すごくかわいいです」


 ふふ。

 なかなか良い人間だね。

 それにしても暑いな。


(ぺるみ、プリンを冷やす為に入っていた魔法石に力を入れて涼しくしてみたらどう? わたしが力を貸すわ?)


 え?

 確かにフラウなら氷の上位精霊だから魔法石にかなりの氷の力を入れられるはずだけど……

 力が強過ぎて壊しちゃいそうで怖いよ。


(ふふ。その加減をするのはぺるみよ? わたしはぺるみの力を氷の力に変換するだけだから)


 あぁ……

 でも、ペルセポネになってからは、なかなか力加減が難しくて。


(大丈夫よ。ゆっくり落ち着けばできるわ? さぁ)


 うん……

 やってみるよ。


 バスケットから魔法石を取り出すと、ゆっくり氷の力を流し込む。

 うーん。

 壊さない程度に……

 難しいね。

 こんなもんかな?

 ありがとう、フラウ。

 助かったよ。

 これで窓際にいるクラスメイト達も涼しく過ごせそうだね。

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