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やっぱり吉田のおじいちゃんはすごく偉い神様だった(3)

「ぺるぺるは群馬にいる頃から臆病だなぁ。でも、誰よりも家族思いだったなぁ。小さい身体で夢遊病のお月ちゃんを必死に守っていたからなぁ」


「おじい様……わたし、思うんだ。守られてばかりじゃダメなんだよ。問題が起こるたびに誰かに助けられていたら、わたしの為にならないの。自分で解決しないと同じ事の繰り返しになっちゃうから」


「そうか、そうか……」


「おじい様はわたしに勇気を出して欲しかったんだよね。お父様とお母様にわたしの口から話して欲しかったんだよね。『助けて』って……」


「ぺるぺるはすっかり素敵なお姉さんになったなぁ」


「……おじい様。ずっと見守ってくれてありがとう」


「んん? そうか、そうか」


「また、いなくなったりしないよね? ずっと第三地区にいてくれるよね?」


「もちろんだ。お月ちゃんもいるしなぁ。ベリアルの餌付けもあるしなぁ」


「ベリアルの餌付け?」


「あぁ。ベリアルには温かい場所で、大切に愛される生き方をして欲しいんだ。あまりに辛い生き方をしてきたからなぁ」


「おじい様は……」


 そうか。

 ベリアルの心を聞いて過去を知ったのか。


「えっと……おじい様はベリアルに過去を訊いたの?」


「んん? まぁなぁ。そんな感じだなぁ」


 やっぱり、心を聞ける事は内緒にしたいんだね。


「ベリアルはそんなに酷い暮らしをさせられていたの?」


「……それは、じいちゃんの口からは言えねぇなぁ」


「ベリアルが自分から言うのを待つんだね……」


「そうだなぁ。他人の口から自分の過去を話されたくはねぇだろう? それが大切な人ならもっと嫌だろう?」


「……うん。ベリアルは……たぶん話してはくれないよ。でも、無理矢理訊き出そうとは思わない。知られたくない事とか触れられたくない事は誰にでもあるから」


「そうか、そうか」


「でも……わたしは赦せないよ! かわいいベリアルを……超絶かわいくてこの世界の宝と言っても過言ではないベリアルをいじめていた奴らがいるなんて!」


「だろう? じいちゃんも同感だ」


「罰を与えないと!」


「おぉ、どんな罰だ?」


「うぅーんと……軟禁とか謹慎とかじゃ反省なんか絶対にしないから……口だけで謝られたって……あ! ふふふ。目にもの見せてあげるよ。ベリアルの心の痛みを思い知れ!」


「おぉ! そりゃいいなぁ。あははは!」


 おじい様……

 また心を聞いたんだね。

 まぁ、聞かれて困る事なんて何もないけどね……

 わたしは単純だから口から出る言葉と思っている事が同じだからね。


 天界は腹黒い人がいっぱいいそうだからおじい様は辛かっただろうな。

 もしかして、第三地区にいるのは地区の皆が裏表が無いからなのかも。


「あのぉ。ペルセポネ? デメテルちゃん? お父様の事、忘れてないよね? 助けて欲しいよぉ」


 え?

 まだ書類の下敷きになっていたの!?

 ……これが神様か。

 天界は大丈夫なのかな?

 

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