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リコリスアカデミーの精霊愛重め人間

「あの……ペリドット様、まさかまさか……今、この場に上位精霊様が……上位精霊様がぁぁあ!?」


 先生は大興奮だね。


「うん。七人来てくれたよ?」


「な……な……七人!? うわあぁ! 今ここにっ! ぐっ! ゴホッゴホッ」


「先生……落ち着いて息をしてね? 心配になっちゃうよ」


「はいっ! スゥハァ……」


(おぉ……これがかの有名な『リコリスアカデミーの精霊愛重め人間』か……)

(え? この人間があの有名な『リコリスアカデミーの精霊愛重め人間』なの?)

(ほぉ。『リコリスアカデミーの精霊愛重め人間』を実際にこの目で見られるとは)


 ……何?

 その呼び名……

 確実に先生の事だよね?

 上位精霊にまで知れ渡っていたのか。

 本人が知ったら喜ぶだろうね。

 ……喜ぶのかな?

 精霊愛重めとか言われているし……

 うーん。

 あれ?

 闇の上位精霊も離れた場所から体育座りをしながらチラチラ見ているね。

 先生は、かなりの有名人みたいだね。


(ぺるみ、おもしろそうだから『リコリスアカデミーの精霊愛重め人間』に上位精霊が会えて嬉しいと言っていると伝えてみて?)


「え? あぁ……うん」


 おもしろそうだからって……

 まぁ、どうなるかは想像できるけどね。


「先生、上位精霊が先生に会えて嬉しいって言っているよ?」


「え? えええ!? わたわたわたわた……わたしにですかあっ!?」


「うん。そうみたいだよ?」


「ああっ! 毎日毎日お空に向かって『精霊様大好きっ』と叫んで良かったっ!」


 え?

 そんな事をしていたの?

 まさか、いきなり叫びだしていたんじゃないよね?

 でも、それだけで『リコリスアカデミーの精霊愛重め人間』とか呼ばれるかな?

 叫ぶだけなら『リコリスアカデミーの精霊大好きって叫ぶ人間』って呼ばれそうだけど。


「先生……他にも精霊に何かしていたのかな?」


「はいっ! 精霊様を描いて、その絵に毎日お祈りの踊りを……」


「お祈りの……踊り?」


「はいっ! このような踊りですっ!」


 え?

 嘘……

 吉田のおじいちゃんの裸踊りにそっくりだよ!?


「えっと……その踊りって先生が考えたの?」


「いえっ! 『精霊様を愛する友』から手取り足取り教えてもらいましたっ!」


「精霊様を愛する友? 古くからの友人なのかな?」


「いえ。二か月ほど前に偶然出会い、それからは精霊様を愛する者同士互いの知識を……はぁはぁ」


 二か月ほど前?

 吉田のおじいちゃんなのかな?

 もうこっちの世界に完全に来ていたはずだよね?

 また何か考えがあって動いていたのかな?


「その友は、わたし以上に精霊様に詳しく、たくさんの知識を得る事ができました。この踊りもその中のひとつでして。はぁはぁ」


 まだ、踊り続けているね。

 人間達には見えていないみたいだけど、先生の周りで精霊達が大爆笑しているよ。

 ……闇の精霊も離れた場所からチラチラ見ているね。

 ずっと体育座りだけどお尻が痛くならないのかな?

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