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やっぱり吉田のおじいちゃんはすごく偉い神様だった(1)

「よ……えっと……」


 吉田のおじいちゃんって呼ばない方がいいのかな?

 昔は『おじい様』って呼んでいたよね?

 皆はどこまで知っているのかな?


「……誰だ? ここは神の執務室だぞ?」


 ハデスは初めて会うのかな?

 お父様とお母様とハデスは姉弟だから、皆にはおじい様になるんだよね?

 それに、前は神様だったからこの執務室は、おじい様も使っていたはず。


「そうだなぁ。かわいい孫達が仲良くやってるか……はもう知ってるから……ぺるぺるが天界で楽しくやってるか見に来たんだ。あとはベリアルをいじめてた奴らを懲らしめに来たんだ。あはは!」


 おじい様……

 その話し方だと吉田のおじいちゃんだって、ばれちゃうんじゃないかな?


「ん? 晴太郎はれたろう? 声が若返ったの? あれ? 何で天界に来られたの?」


 書類の山の下敷きになっているから天族の姿のおじいちゃんが見えていないんだ。

 でも、群馬でも友達だったから吉田のおじいちゃんだって分かったんだね。


「確かにヨシダさんの話し方に似ているけれど……?」


 お母様も知らないんだね。


 おじい様?

 何をしに来たの?

 皆に秘密にしたかったんじゃないの?


 おじい様は心を聞く力があるからね。

 今のわたしの心も聞こえているはずだよ。


「秘密かぁ。そうだなぁ」


 やっぱり聞こえているね。

 でも、独りで話している痛い人に見えるよ?


「そりゃ、困るなぁ。じゃあ、ぺるぺるが声を出してくれ」


「え? うん。いいけど。皆に話してもいいの? 泣きながら内緒にして欲しいって言っていたよね?」


「んん? 天界もおもしろそうだからなぁ。見に来なけりゃ、おもしろい物を見逃しちまうだろ? あはは!」


「え? ペルセポネは知り合いなの?」


 お母様……

 そうだよね。

 まさか、目の前にいる天族が吉田のおじいちゃんで、実の祖父だなんて思わないよね?


「デメテルちゃん? どうしたの? なんで晴太郎がそこにいるの?」


 お父様、まだ書類の下敷きになっているんだね。


「この話し方……まさか本当に?」


 ハデスはずっと吉田のおじいちゃんに振り回されてきたからね。

 さすがに気づくよね。


「えっと……この天族は……あのね?」


 おじい様だって話していいんだよね?


「え? あれ? まさか……ウラノス……様?」


 ウリエルが執務室の入り口で険しい顔になっている?

 そうか。

 ウリエルは代々の神様の側付きだったんだ。


「おう! 久しぶりだなぁ。ってマンドラゴラの姿で会ってたか?」


「え? マンドラゴラ……ですか? それは一体?」


「んん? まだ分からねぇか? オレは……幸せの島ではマンドラゴラの赤ちゃん。第三地区では吉田のおじいちゃん……果たしてその実態は……? ジャジャーン! この世界の最初の支配者、ウラノスでしたあぁ!」


「「「はあぁぁ!?」」」


 ハデスとお母様とウリエルの大声が重なる。


「え? なに? 今どうなってるの? 誰か、ここから出して? おーい、聞いてる?」


 ……お父様、こんな時まで空気が読めないんだね。

 一応神様だけど、誰も助けないんだね。

 日頃の行いの悪さのせいかな?


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