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他人の人生を狂わせるような嘘はいけません

(ん? 待って? じゃあ人間は生まれながらに持っている属性の力を使う時にも詠唱をしているの?)


 それって必要無いよね?


(ああ。無駄な事をしているようだな。詠唱は別の属性の魔力に変換する時にだけ必要な物だ。神官がふざけた検査をするから属性を間違えるだろう? だが時々神官の言った属性が当たる時がある。そういう時に『無詠唱で魔術を使える天才』が現れるのだ)


 うーん。

 ポセイドンはこの世界の人間をよく見に来ているのかな?

 ずいぶん詳しいね。

 

(魔術は想像力が大切だからね。風の属性なのに水を使う想像をしても魔術は使えないよね?)


(この人間は魔術に対して純粋だからな。精霊に好かれているのだろう。だから精霊が力を変換しているのだろうな)


(……今まで自分で何か変だって気づかなかったのかな?)


(人間は幼い頃に魔力検査をするようだな)


(魔力検査?)


(そこで魔力があると言われた者だけが属性検査をするようだ)


(その属性検査の結果が間違えていたっていう事?)


(まぁ、そういう事だ。属性検査は神官が行っている。一年に一度巡礼とやらの時についでにやっているようだな)


(神官が面倒だからって手を抜いているっていう事?)


(そうだろうな。よくは分からないが)


(こんなに純粋な先生になんて酷い事を……赦せないよ。先生は自分を水属性だって信じ続けてきたんだよ? こんなに魔術が大好きなのにかわいそうだよ)


(……良い事を教えてやろう。今ちょうどその属性検査をしている最中だ。ドラゴンが現れた為に少し中断しているようだ。今行けば間に合うぞ?)


(え? 本当? でも……わたしが行って『この検査は手抜きだよ』なんて言っても……相手は神官だし、わたしの言う事なんて誰も信じないよ?)


(ペルセポネ自身が検査をすれば良いだろう。会場はリコリス城の訓練所だ)


(え? あぁ……わたしが神官の言う属性と違う力を使えばいいっていう事かな?)


(ペルセポネは全ての属性の上位精霊と契約しているからな。簡単だろう)


(そうだね。ポセイドン、色々教えてくれてありがとう。でも……気持ち悪いからわたしの身体の中に入るのは、やめてくれないかな?)


(ははは。まぁ良いではないか。ヘスティアちゃん達には内緒だぞ?)


 うぅ……

 確かに火干しされたらかわいそうだけど……

 

(とりあえず身体から出てくれないかな?)


(まぁ待て。神官が水以外の力を言ったらわたしが水の力を使わせてやろう)


(……うーん。それは助かるけど)


(この人間二人も連れて行こう。おもしろそうだからな)


(ねぇ? ポセイドン、先生は今からでも風の力を練習すれば使えるようになるかな?)


(生まれ持ったものだからな。できるだろう)


 良かった。

 こんなに純粋に魔術を大切にしているんだから、騙されて水の属性だって思い続けるなんてかわいそうだよね。

 

 それにしても、神官はどうしてこんなに堕落しているんだろう?

 やる気がないのかな?

 お金が欲しいだけ?

 それとも……

 まさか神力を持った神官がいない……とか?

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