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こんなに純粋に魔術を愛していると精霊も放っておけないよね

「モニョモニョモニョモニョ……はあっ!」


 これが……詠唱……

 モニョモニョ?

 こんなので精霊が力を貸してくれるの?

 逆にこんなので力を貸してくれる精霊なんているの?


「ほらっ! 水ですっ! 水っ!」


 先生……

 嬉しそうだね。

 でも、何も無い空間からポタポタ水が垂れているだけだよね?

 上位精霊……なのかな?

 小さい妖精みたいな子達は見えるけど……?


「……えっと、上位……精霊?」


「はいっ! 何も無い空間から水を出せるなんて奇跡ですっ!」


「……先生は普段は水の魔術を使っているのかな?」


「はいっ!」


「えっと……どんな魔術なのかな?」


 上位精霊でこれなら普通の精霊だとどんな力なのかな?


「普段ですか? 溜まっている水に波紋を生じさせたり……あとは、水がキラキラ輝いたりしますっ!」


 ん?

 波紋とキラキラ?

 

「キラキラってどんな風に光るのかな?」


 もしかして、神力で空間移動する時みたいに光るのかな?


「はいっ! 晴れた日に光りますっ!」


 ん?

 え?


(プッ!)


 あれ?

 誰かが笑った?

 頭の中から聞こえてきたね。

 精霊かな?


(えっと、誰?)


 声に出したら独り言になっちゃうから気をつけないと。


(わたしだ。ネーレウスだ)


(……ポセイドンでしょ? あれから本物のネーレウスのおじいちゃんに会ってきたんだよ? もう騙されないからね?)


(ははは。そうか。ところで、その哀れな人間は何をしているのだ?)


(悪い人間に騙されて偽物の『魔術が使える杖』を買わされそうなの)


(ペルセポネ、良い事を教えてやろう。その杖はただの木の枝だ)


(え? でもさっき水が……って、まさかポセイドンがやったの!?)


(ははは。おもしろいからな。少し遊んでみた)


(え? ねぇ? この人間って本当に魔術が使えるの? 波紋とか水面が光るとかそんなの自然現象だよね? 魔術を使わなくても風が吹いたり光が当たればなるよね?)


(そうだな。我ら天族からしてみれば自然現象に見えても人間からすれば大変な事なのだろう)


(じゃあこの人間には魔力があって、その力で波紋とか水面が光るとかを精霊にやらせたっていう事?)


(何の意味があるかは分からないが、精霊にやらせたのだろうな)


(何の意味って……本当にその通りだね)


(精霊もおもしろがって力を変換させているからな)


(じゃあ、この人間の力は元々水属性じゃないっていう事?)


(そうだな。風属性だな)


(生まれ持っての属性は精霊がいなくても使えるけどそれ以外は精霊が魔力を変換しているんだよね。そうか、人間はそれを知らないのかも。ひとつの属性しかないと思っているから他の属性の魔術には手を出さないのかな?)


(この人間は風の力を持ち生まれたが自分を水属性と信じて水の精霊を呼び出す詠唱をしていた。それをおもしろがった水の精霊が波紋を立てたり水面を輝かせていたのだろうな)


 なるほど……

 そういう事か。

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