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ぼっち確定の大嘘つきになる道を自ら進んでいるよね

「えへへ。ばあちゃんが『偉い』ってご褒美でキャンディをくれたぞ?」


 おお!

 ベリアルがペロペロキャンディを持っているね。

 くぅぅ!

 かわい過ぎて鼻血が出ちゃいそうだよ!


「ヒヨコ様……なんと愛らしい……あぁ……早速邸宅の料理長に棒つきのキャンディを作らせよう! ではまたアカデミー終了後に、邸宅で!」


 公爵……

 恋する瞳だね。

 ベリアルの為ならなんでもしそうだね。


「ああ! 公爵、待て! ほら、ぺるみのパパからだ。薬だぞ?」


 パパから?

 薬って、まさか解毒作用のある薬かな?

 水晶で見て慌てて作ってくれたのかな?

 昨日も、公爵のお陰でルゥが産まれたんだって泣いて感謝していたしね。


「え? 薬……ですか?」


「うん。毎日朝昼晩の三回煎じて飲めだって。一回の量は各種類ティースプーン一杯ずつって言ってたぞ」


「薬? ニホンの王? ……?」


 公爵はわたしが魔族の中で育ったルゥっていう事も、ニホンが無いっていう事も知っているからね。

 魔族が作った薬は怖くて飲めないかな?


「(公爵、騙されたと思って飲んでみて? 身体が楽になるはずだから。詳しい事はあとで邸宅で話すね?)」


「……はい。殿下、わたしは……とても晴れやかな心地です。身体の痛みが消えた事もありますが誰かに気にかけていただけるのはありがたく心が温かくなります」


「公爵……そうだね。公爵はかなり酷い肩こりだったみたいだね。邸宅に行ったら肩をマッサージさせて? 公爵はルゥの命の恩人だからね」


「命の恩人……? いつも助けられてばかりいたわたしが、命の恩人とは……長生きはするものですなぁ」


「ふふ。邸宅に帰って鏡を見たらそんな事は言えなくなるよ? 青年みたいに若々しいからね」


「青年? この年寄りを青年とは……あはは! 鏡を見るのが楽しみですなぁ」


 確かに『青年みたい』は言い過ぎかもしれないけど、肌艶が良くなって毛量も増えたからね。

 鏡を見たら驚くはずだよ。


「じゃあ、公爵、またあとでね。市場の皆もドラゴンが来ても驚かないでね?」


「うん! 姉ちゃん、あとで市場でね?」


 ジャックは本当にかわいいね。

 今日は予定がいっぱいだから市場に行くのは夕方になっちゃうかもね。


 公爵と市場の人間が帰るとアカデミーの登校時間になったのか、学生が馬車や徒歩で登校してくる。

 さっきまでは市場の人間達もいて気づかなかったけど、四、五人の学生が見ていたみたいだね。

 

 この学生達は馬車やベリアルが消えたり戻ってきたりしたのを見ていたはずだよね?

 あっという間にアカデミー中に『ドラゴンと暮らすって言う大嘘つきが入学してきた』って噂が広まるだろうね。

 今日のアカデミーが終わる時には本当だって分かるだろうけど、それまでは嘘つきの痛い奴だって陰口を言われるんだろうな。

 はぁ……

 気が重くなってきたよ。

 でも、ベリアルがいてくれるから、ぼっちにならずに済むね……

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