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溜まりに溜まった疲れが一度に消えたら若々しくもなるよね

「どうした? じいちゃん」


 あれ?

 ベリアルが公爵の心配をしている?

 どうしたのかな?


「大丈夫ですよ。ヒヨコ様はお優しいのですね」


 確かに顔色が悪いね。

 あ、もしかして雪が降っているから膝が痛むのかも。

 

「公爵は膝が痛むのかな? 寒くなっちゃった?」


「いえ、大丈夫です。殿下、次は何を?」


 ダメだよ?

 全然大丈夫そうには見えないよ?


「……公爵、次にする事はひとつだよ」


 ベリアルを抱っこしている公爵の手に触れると……

 やっぱりさっきより冷たいね。

 公爵は厚着をしているとは思っていたけど、寒くて着込んでいたんだね。


「ひとつ……ですか?」


「そうだよ?」


 公爵に治癒の力を使うと……

 うーん。

 強い薬を使っていたって言っていたけど、何かの病気だったのかな?

 確かに内臓がかなり弱っている感じだね。

 ん?

 膝とか関節の痛みは治せているけど……

 おかしいなぁ。

 もしかして、毒が体内にある?

 困ったな。

 わたしの力は魔素は祓えるけど、解毒はできないんだよね。

 

「え? これは……膝や関節の痛み、肩凝りまで治っている!?」


 公爵……

 肩凝りだったのか。

 あ……

 毛量が増えているし肌艶も良くなっている。

 やっぱりペルセポネの身体に戻ったから神力がかなり強くなっているね。

 治療された方も眠くならないみたいだし。

 それにしても……

 公爵は身体に毒が残っている事を知っているのかな?

 パパに頼んで薬を作ってもらおうかな?


「殿下、ありがとうございました。おかげで身体が楽になりました」


「え? ああ……うん。良かったよ」


 今は訊いたらダメだよね。

 後で二人になった時に訊こう。


「身体がこんなに軽く感じるのは何年振りか……駆け回りたい程です」


 すごく喜んでもらえたのは嬉しいけど、体内にある毒が心配だね。


「あれ? じいちゃん若くなったか?」


 ベリアルも気づいたんだね。

 若返りはしていないけど目の下のクマも消えたし、疲れが取れたからそう見えるのかな?

 公爵は元々薄毛じゃなかったけど明らかに毛量が増えて髪にも艶が出たね。

 これはどういう事なのかな?

 

「え? ヒヨコ様はお上手ですなぁ」


 公爵……

 確かに自分じゃ見えないよね。


「ああ……えっと……ごめん。わたし……この身体になって加減が難しくて……公爵の見た目がかなり変わったみたいで……」


「え? わたしの見た目が……ですか?」


「うん。後で鏡で確認してみてね?」


「……はい。良く分かりませんが」


 いきなり若々しくなったから鏡を見て驚くだろうな。


「すごい! さすが聖……あの……姫様だ!」

「昨日もオレの怪我を治してくれたんだ」

「姉ちゃんは本当にすごいや!」


 あれ?

 昨日の市場の人間達がいるね。

 わたしの事も秘密にしてくれていたし……

 口も固いし信頼できるね。

 貴族にも、市場の人間達がこんなに素敵だって気づいて欲しいよ。

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