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ただでさえかわいいベリアルが赤ちゃん用のボンネットを被ったら悶絶しちゃうよね

「ぐふふ。ぐふふふ」


「お前……笑い方が気持ち悪いぞ?」


 アカデミーに向かう馬車の中で、抱っこしているベリアルが呆れた顔で見上げてくる。

 

 ぐふふ。

 このベリアルが被っているボンネット……

 赤ちゃん用のレースがいっぱいの真っ白い帽子……

 最高だよっ!

 カスタードクリームみたいなベリアルの羽毛に、真っ白いレースが最高に似合っている。

 鼻血を垂らさない自分を褒めてあげないとね。

 ぐふふ。


「ぺるみ……お前忘れてないだろうな? 今日はアカデミーが終わったら公爵の邸宅に行って神聖物の事で色々やるんだろ?」


「うん。ベリアルは有能な秘書みたいだねっ! かっこいいよ!」


 そして、最高にかわいいよっ!


「ヒショ? なんだそれ? あの貴族の坊っちゃんにも会う事になるんだろ? 大丈夫なのか?」


 貴族の坊っちゃん?

 あぁ、昨日の。


「もしかして心配してくれるの!? うわあぁ! ありがとう! でも、貴族は序列に厳しいからね。わたしを王女だって知れば坊っちゃんは変な事はしてこないよ。心配なのはお兄様に恋している令嬢達からの嫉妬の方だよ」


「令嬢達の嫉妬? なんだ? それ」


 くぅぅ!

 首を傾げているよ。

 かわいいっ!

 吸って撫で回したいけど我慢我慢!


「お兄様は令嬢達に人気があるみたいだからね。いきなり現れた王女がお兄様に近づこうとすれば良くは思わないでしょ?」

 

「ふーん。なんか面倒だな。あ、そうだ! 公爵のじいちゃんがナッツのタルトを用意してくれてるんだろ? 楽しみだなぁっ!」


 うわあぁ!

 かわいいっ!

 パンみたいなかわいい翼をパタパタさせて喜んでいるよ。


「あ……ベリアル、最終確認だよ? わたしはベリアルを『ヒヨコちゃん』って呼ぶ。ベリアルは神様が与えてくれた神様のペットの聖獣。でも、まだわたしが聖女のルゥだった事は内緒だから『神様のお手伝いをしたお礼に与えられた』っていう事にする。わたしは『黄金の国ニホン』の王女だけど弟がいて継承権は無い。だよ? 大丈夫かな?」


「任せとけ! もう昨日みたいな間違いはしないぞ?」


 ぐふふ。

 得意気なヒヨコちゃんもかわいいね。

 堪らないね。


「もうひとつ、一番大切な事だよ? お菓子をもらっても絶対に誰にも付いて行ったらダメだよ? 聖獣なんて人間には珍しいからね? 大丈夫?」


「うん! 任せとけ!」


 くぅぅ!

 わたしを見上げるつぶらな瞳が堪らないね。


「それにしても……この馬車すごいね。魔法石で動く黄金の馬車をヴォジャノーイ王国から借りてきたんだね」


「魔族達はすごく協力的だよな?」


「うん。ありがたいよ。種族王の皆が今も第三地区の広場で水晶を使って見ているはずだよ?」


「ぺるみは魔族が好きだよな? 怖くないのか?」


「え? 皆大切な家族なんだよ? 種族も違うし、血も繋がっていないけどずっとわたしを見守ってくれているの。すごく感謝しているんだよ?」


「そうか……ぺるみらしいな。でも、人間は優しい魔族とは違うからな? 気をつけろよ?」


 ベリアルが……

 かわいいヒヨコちゃんがわたしを心配してくれている。

 今日は朝から最高に幸せだよ!

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