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アカデミーの初登校はやっぱりドキドキするよね

 ついにこの日がやってきた!

 今日からわたしは学生になるんだ。

 群馬で高校二年の時に溺死して以来の学校だからドキドキするよ。

 異世界の学校だからやっぱり群馬の高校とは違うんだろうな。

 アニメに出てくるみたいな悪役令嬢とかキラッキラの王子様とかがいたら楽しいだろうなぁ。

 いや、待って……

 その前にわたし、友達ができるかな?

 いつも無意識に人間の痛い殺害方法やりかたを語り始めちゃうし……

 前にもそれで牢獄行きになりかけたんだよね。

 うぅ……

 気をつけよう。


「よし、できたぞ? 立って鏡で全身を見てみろ?」


「うん、ありがとう」


 第三地区には群馬で美容師をしていた床屋のあんねぇがいるから朝から髪型を整えてもらったりメイクもしてもらったんだ。

 群馬で学校に行く時にメイクなんてしたら先生に怒られただろうけど、アカデミーでは貴族の為の普通科に通うからね。

 普通科にはスッピンの人間はいないらしいんだ。


「おお! 綺麗だぞ。ぺるぺる」


 吉田のおじいちゃんはご機嫌だね。

 この『ご機嫌』が怖いんだよ。

 今日もこっそり付いてくるんだろうな。


「本当だなぁ。お姫様みてぇに綺麗だなぁ。いつでも高崎に行けるぞ?」


 野田のおじいちゃん!?

 高崎の話は、やめてよ!

 恥ずかしいんだから!


「やめてよ! 野田のおじいちゃん! その事は忘れたいの!」


「あははは! そうかそうか」


 もう!

 野田のおじいちゃんてば永遠に言い続けそうだよ。


「うーん。スケバンみてぇに長いスカートだなぁ」


 スケバン?

 なんだろう?

 おばあちゃんはこの制服が気に入らないのかな?


「そうだなぁ。貴族は皆こんなスケバンみてぇな制服を着てるんか? でも、ぺるぺるはかわいいから何を着ても似合うなぁ」


 吉田のおじいちゃんもスケバンって言っているね?

 何かな?


「ほら皆、見てみろ! かわいいだろう。ベリアルにもオシャレさせてみたぞ?」


 え?

 ベリアルにもオシャレを?

 どんなオシャレ?


「うぅ……オレこんなの嫌だよ……」


 ……!?

 なんて事なの!?

 赤ちゃん用のレースたっぷりの真っ白いボンネットを被っている!?

 かわいいっ!

 これでおしゃぶりをくわえたら……

 ぐふふ。

 もう鼻血が止まらなくなるよ!


「あははは! ベリアルは赤ちゃんの帽子がよく似合ってるなぁ」

「こりゃ、ぺるみが鼻血を出しちまうなぁ」

「バブバブ言ってみろ? あははは!」

 

 第三地区の皆は元気だね。

 それにしてもベリアルのかわいさはすごい破壊力だよ。

 アカデミーの人間達もメロメロになっちゃうだろうな。

 ちょっと吸わせて欲しいけど、今日からはアカデミーでずっと抱っこできるからね。

 ぐふふ。

 吸い放題のつむじ見放題だよ。

 あ……

 帽子を被ったらつむじは見えないか。

 でも毎日ベリアルパラダイス……

 もう笑いが止まらないね!

 

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