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まだ会った事が無いおじい様が仕事をせずに遊び回っていると知る

「今はどこにいるのか分かっているのか?」


 公爵が、おばあ様におじい様の居場所を尋ねているね。


「はい。デッドネットル王に頼んで明後日にはシャムロックに無理矢理連れ帰ろうと考えています」


 そういえば、デッドネットル王とおじい様は仲良しなんだよね。

 おばあ様は今でもクマポイ? を倒せるほど強いのかな?

 おじい様は無理矢理連れ戻されて、生きていられるんだよね?

 心配になってきたよ。


「なるほど、明後日か」


 ん?

 公爵はシャムロックに行きたそうだね。

 久しぶりにおじい様に会いたいのかな?

 公爵とおじい様は仲良しなのかな?

 

「カサブランカ……明後日はわたしもシャムロックに行きたいのだが、大丈夫か?」


「え? 殿下がですか?」


「ああ。久々に『あの王子』に会いたいからな」


「では、シャムロックの船で一緒にいかがですか?」


「あぁ……それが、明日は神官と神聖物の事があるからな……カサブランカはいつ出発するのだ?」


 おばあ様はお兄様とココちゃんとわたしを、おじい様に会わせたいんだよね?

 じゃあシャムロックじゃなくて、リコリス王国に連れて来た方がいいんじゃないかな?


「おばあ様? おじい様をリコリス王国に連れて来るのはダメなのかな? その方が皆に会えると思うんだけど……」


「それはそうなのだけど、しばらくシャムロックに閉じ込めたいのよ? おじい様の印が必要な書類が山積みなの」


「書類が山積み? じゃあ、お兄様にもココちゃんにもしばらく会えなそうだね」


「そうなのよねぇ。できるならリコリス王国に連れて来た後にシャムロックに行きたいのだけれど。時間がかかり過ぎてしまうでしょう? 隙をついて逃げられそうだし」


 逃げられるって……  

 お父様みたいだね。


「じゃあ、ヒヨコちゃんに連れて行ってもらうのはどうかな? 移動時間もかからないし」


 ベリアルはシャムロックのお菓子が大好きだから連れて行ってくれるはずだよ。

 少し前におばあ様の船で食べたお菓子がおいしかったって嬉しそうに話していたからね。


「おお、ヒヨコ様に……先ほど、わたしはヒヨコ様に大変な事をしでかしてしまったようで。黄色いヒヨコ様はわたしを赦してくださるでしょうか?」


 あぁ……

 公爵はベリアルが天族の話をしたらいけない事を知らないからね。

 でも、この件はさっき解決したから大丈夫だよ。


「うん。今はお風呂に入っているはずだよ? もし良かったら今度ナッツのタルトを用意してもらえないかな? 食べたがっていたから」


「はい。もちろんです。では、明日のアカデミー終了後にわたしの邸宅までお越しいただけますかな? きちんと謝罪をしたいのです。お菓子もたくさん準備しておきます」


「うん。ヒヨコちゃんも喜ぶはずだよ? あ……空間移動の事で話さないといけない事があるの」


 失敗はしないだろうけど黙っているのはダメだよね。


「はい。なんでしょうか?」


「空間移動はすごく便利なんだけど、失敗すると移動前の場所と移動先で身体が裂けちゃうの」


「え? 身体が……裂ける?」


 おお……

 公爵の顔色がどんどん悪くなっていくね。

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