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第三地区には赤ちゃんがいっぱいだね

「王女の友達か……ふふ。ハーピーちゃんとアマリリスとわたし達の赤ちゃん。それと、これから卵になるイナンナの赤ちゃん。あ、新しいドラゴン王も産まれたばかりだよね。赤ちゃんがいっぱいで賑やかになりそうだよ」


 ホワイトドラゴンの『ばあば』が天族のイナンナに戻ったから新しいドラゴン王を決める事になったんだけど、皆面倒がってやりたがらなかったんだ。

 ドラゴンは地位とか名誉とかより、自分が楽しいと思う事に時間を使いたがるんだよね。

 

 そこで、産まれたばかりのピンクのかわいいドラゴンが無理矢理ドラゴン王にされて……

 あれは、かわいそうだったよ。

『今日からお前がドラゴン王だ』って言われていきなり種族王にされたんだよね。

 まだ話せないくらい赤ちゃんだったから『ピーピー』泣いて嫌がったんだけど拒否権はなかったみたいだ。

 でも、ドラゴンは傘下に他種族がいなくても種族王を名乗れるから危ない事はないみたいだし大丈夫だよね?

 イナンナがドラゴン王だった時も特に何もしていなかったみたいだし。

  

「そうだな。モフたん族とベリアルも赤ん坊のようなものだし。そういえばスーたんの事を聞いているか?」


 ハデスが卵を優しく抱きしめながら話しているけど……


「え? スーたん? そういえば最近姿を見ないけど」


「ベリス王から聞いたのだが、次々に現れる赤ん坊達に負けない為に毎日温泉の島に行っているらしい」


「……え? そうなの? まさか、温泉に入ってさらにフワフワになろうとしているの?」


「スーたんは己を愛らしく見せる為の努力を惜しまないからな」


「あの作られたかわいさに気づいていないのはベリアルくらいだよ?」


「そうだな。だが、努力をする姿には好感を持てる。ベリアルとステージに立つ為にかなり努力していただろう?」


「そうだね。スーたんは、頑張りやさんだよね」


「わたし達の赤ん坊と仲良くなってくれるといいが」


「きっと、なってくれるよ。スーたんは、困っているベリアルをさりげなく助けたりしているような優しい子だからね」


「そうだな。ベリアルが赤ん坊のようにすぐ泣くから、スーたんとゴンザレスは苦労しているようだが……嫌ではないようだ」


「スーたんとゴンザレスは種族の中で一番若いから弟か妹が欲しかったみたいなんだよね。だからベリアルを弟みたいに思っているんだよ」


「ベリアルは自分の方が兄だと言っているが……誰から見てもベリアルの方が弟だな」


「ふふ。そうだね」


「そういえば……卵が静かになったな」


「……え? そうなの? わたしは赤ちゃんの声を聞いていないんだよ。ハデスが羨ましいなぁ。かわいい声だった?」


「そうだな。卵に入っているから籠った声だったが……愛らしかった」


 ふふ。

 すごく嬉しそうだね。

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