外は外で大変な事になっているんだね
「神力の強さも関係してるかもしれねぇけどなぁ。それだけじゃねぇみてぇだ。かなり強くてもずっと幼子の姿の奴もいたからなぁ。でも胎児の時は親の神力が強いほど早く卵になるみてぇだぞ?」
おばあちゃんが言うならそうなんだろうね。
赤ちゃんは神力が強ければすぐに成長するわけじゃないんだ。
「そうなんだね……」
「さ、動けるうちに幸せの島に行くぞ。ばあちゃんが空間移動するから、しっかり目を閉じるんだ。ハデスちゃんとベリアルも一緒に行くか?」
「うん! オレも行く!」
ベリアルが嬉しそうに返事をしているけど……
リリーの所に行かなくていいのかな?
「そうか、そうか。ベリアルはぺるみの卵に話があるんだよなぁ」
え?
おばあちゃんが嬉しそうに話しているけど、わたしの卵に話があるって……?
「えへへ。オレはぺるみの赤ん坊のお兄ちゃんになるんだ! ぺるみの子ならオレの『きょうだい』だろ? だから卵が産まれてきたら撫でながらこう言うんだ。『卵から孵ったら毎日一緒に遊んでやるからな』って!」
ベリアル……
魂がなかった時のお腹の赤ちゃんにも毎日『大好きだ』って話しかけてくれたよね。
どれだけ嬉しかったか……
「……ありがとう。きっと赤ちゃん達も嬉しいはずだよ」
「オケアノスとうさちゃんが問題なく赤ん坊に入れたって聞いて安心したんだ。……ぺるみ。痛いだろうけど頑張れよ! ゼウスは木に縛られてるけど元気だからな!」
……?
え?
今……なんて言ったの?
お父様が木に縛られているって?
そういえば、さっきからお母様の姿が見えないけど……
「ベリアル? お父様はどうして木に縛られているの? まさか、また悪い事をしたの?」
「ん? 違うぞ。ぺるみの事が心配で、この部屋に入り込もうとしたんだ。でも絶対に邪魔するからってヘスティアが木に縛りつけたんだ」
「外は外で大変な事になっているんだね……」
「そうだな。種族王も魔王もずっとソワソワしてるぞ。あ、そうだ。グリフォン王の父ちゃんと母ちゃんも来てるぞ。あと、イナンナとブラックドラゴンと、リリーとウリエルもだ!」
グリフォンのお兄ちゃん達とイナンナ達、リリーも来てくれたんだね。
……ん?
今、ウリエルって言った?
「……え? ウリエル……?」
あの幼女好きのウリエル?
「そうだ! ウリエルだ!」
「えっと……まだ女の子が産まれるかも分からないんだけど。しかも産まれてくるのは卵だよ? 卵から孵るのはまだまだ先の話だし」
気が早くないかな?
卵から孵って二人とも男の子だったら怒ったりして……