わたしの『欲』……?
「アノオカタハ、オオクノ、セイジュウヲ、スクッタノニ、イチバン、タイセツナ、ムスメヲ、マモレナカッタンダ……」
聖獣王が苦しそうに話しているね。
うさちゃんに対する感謝と申し訳なさが伝わってくるよ。
「……うん」
苦しくて、なんて返事をしたらいいのか分からない……
「アノオカタハ、ムスメノ、ネガイヲ、カナエタカッタンダロウ」
「娘さんの願いを叶えたかった?」
魔法石に闇の力を入れて、亡くなった聖女を蘇らせるっていう願いの事?
「ペルセポネノ、ネガイハ、ナンダ?」
「え……?」
「ホントウハ、ハラノコヲ、イキタママ、ウミタインダロウ?」
「……それは」
「アノオカタト、オケアノス、ナラ、ソレガ、カノウダ」
「……それが可能?」
うさちゃんとオケアノスなら……?
「オナジ、オトガスル」
「同じ音?」
「ドウカ、アノオカタノ、ネガイヲ、カナエテクレ」
「うさちゃんの願い?」
「ムスメヲ、マモリキレズ、クルシミ、ツヅケタ、アノオカタノ、ネガイハ、ヒトツ、ダケデハ、ナイカ?」
「わたしに……元気な赤ちゃんを産んで欲しい……?」
「ペルセポネ……マエヲムケ! ジブンノ、ヨクヲ、コトバニ、シロ!」
「自分の欲……?」
「ソウダ……」
わたしの欲……
わたしの願い……
「赤ちゃん……わたしの……赤ちゃん……」
「……」
聖獣王が真剣な瞳でわたしを見つめている。
わたしの願いは……
わたしの願いはひとつだけ。
ひとつだけだよ……
「赤ちゃんを元気に産んであげたい……この美しい世界を見せてあげたい! でも……誰かを巻き込みたくはないの……」
「マキコム?」
「だって……」
「ハハオヤガ、コヲ、ブジニ、ウミタイ……ソウ、オモウノハ、アタリマエノ、コトダ」
「聖獣王……?」
「ペルセポネガ、コトバニ、スル『ヨク』ハ、ベツニ、アル」
「別に……?」
「イツモ、タニンノ、シアワセ、バカリ、ネガッテ、イルダロウ?」
「……え?」
「モウ、ソロソロ、ジブンノ、シアワセヲ、ネガエ」
「……わたしの幸せを……願う?」
「ソウダ。コノ、セカイモ、イセカイモ、マエニ、ススモウト、シテイル。ツギハ、ペルセポネ、ジシンガ、シアワセニ、ナル、バンダ」
「わたし自身の……幸せ?」
「ミンナガ、ソレヲ、ネガッテ、イルゾ?」
「皆がわたしの幸せを願っている?」
『皆』……?