心の『声』と『音』?
「ジダイゲキ?」
聖獣王が尋ねてきたけど……
やっぱり、わたしの心の声が聞こえているんだね。
「うん。異世界で有名な話なの。御老……うーん……先王様が印籠を持って世界中の悪者退治をするの」
「ヘェ。ソウナノカ。ワルモノ、タイジ……トキドキ、ベリアルモ、イッテイル、ヤツカ?」
「え? ベリアルも? 悪者退治を?」
「タシカ、キョウハ、ヘラガ、トモニ、キテイタ、ハズダガ」
「……え? 今、ヘラって言ったの?」
「ソウダ。キョウハ、ベリアルガ、コラレナイカラ、カワリニ、ヘラガ、ヒヨコノ、スガタデ、クルト、イッテイタ」
「嫌な予感しかしないよ……」
「……エ?」
「ヘラは自分が怪力だって知らないの。だから、無意識に色々壊しちゃうんだよ。それを、お母様がこっそり直しているの」
「ン? ソレデ、アソコニ、デメテルガ、イルノカ?」
「え? お母様が? あ、本当だ。人化したお母様が来ているね」
「ローブヲ、キテイルノニ、ワカルノカ?」
「うん。気配……かな? 神力の色……みたいな?」
「シンリョクノ、イロ?」
「本当に色がついているわけじゃないんだけど……うーん……? 上手く言えないよ」
「……『オト』ハ?」
「え? 音?」
「ココチイイ、オト。キモチワルク、ナルヨウナ、グチャグチャナ、オト……ソンナ、オトガ、イキモノカラ、キコエ、ナイカ?」
「音……? わたしには聞こえないけど……あ、でも……嫌な気配とかそういう感じは時々するかな」
「マタ『ケハイ』……カ」
「……? うん」
「……ソウカ」
「聖獣王?」
「ペルセポネ……オマエハ、フシギナ、ムスメダ。アノオカタガ、イノチガケデ、マモリタイト、オモウ、ソンザイ」
「……あのお方? うさちゃんの事……だよね」
「アノオカタハ、ペルセポネヲ、ココロカラ、アイシテイル、ヨウダ」
「……え?」
「ペルセポネノ、ナカカラ、アノオカタノ、オトガ、キコエル」
「それって?」
「サアナ。ヨク、ワカラナイ。ヨノナカハ、ワカラナイコト、バカリダ」
「……分からない事ばかり?」
心が聞こえるのに?
「ダガ、ペルセポネ……」
「うん……?」
「オマエノ、ナカニ、アノオカタガ、イルノハ、タシカダ」
「……? わたしの中にうさちゃんがいる? 心にいる……とかじゃなくて?」
「ココロニ、イル? ……? ソレハ、ワカラナイ」
「……? そうなの?」
よく、大切な誰かが心に生き続けるとかいうけど……
そういうのとは違うのかな?