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久々に会った知り合いが元気にしている姿を見ると安心するよね

「ペルセポネ、コノ、オカシモ、タベタイ。アレモ、タベタイ。アッチモ、タベタイ」


 吉田のおじいちゃんが第三地区に帰ってから、人化している聖獣王と二人でお菓子を買いに来たんだけど……

 ローブのフードを被っているから誰にもバレないよね?

 それにしても、聖獣王は片っ端から屋台のお菓子を食べたがっている。

 お金はハデスからもらっているから安心だけど、こんなに食べても大丈夫なの?

 聖獣は満腹にならないとか?

 でも、元聖獣王のうさちゃんは何も食べなくても平気なんだよね?

 うーん……?


「聖獣王はお腹が苦しくならないの?」


「ナラナイナ。ウマイ、オカシナラ、イクラデモ、イケル」


「そうなんだね。ふふ。じゃあ、端から端まで全部のお店のお菓子を食べようよ」


「ソレハ、イイカンガエダ」


「わたしはパンを買おうかな? あ、これはアルストロメリア王の顔の形だね」


「ナルホド。タシカニ、ソウダナ」


「スウィートちゃんの顔のパンもあるよ。あ! ベリアルのパンもある! くうぅ! ヒヨコちゃんのパンなんて最高だよ!」


「ペルセポネハ、タノシソウダナ」


「わたしが笑っていればお腹の赤ちゃんも嬉しいかなって思って……」


「ソウカ。モウ、キメタノカ」


「うん。わたしの赤ちゃんの身体に入れる魂はないの。『もしかしたら』なんて甘い考えで誰かの魂を入れたら……その魂は消滅しちゃうんだよ。だから、それだけはできないの」


「……ソウカ」


 こうするしかないの……

 でも、辛過ぎて胸が苦しくなるよ。


「きゃあああ! 誰か! ひったくりよ!」


 ……?

 ひったくり?

 若い女性の声が聞こえてきたけど……


「どけどけ!」


 うーん。

 向こうから走ってくる中年男性がひったくり犯だよね?

 仕方ない。

 捕まえようか……

 なるべく騒ぎにならないように……


「待て待てぇい!」


 ……?

『待て待てぇい』?

 あれ?

 どこかで聞いた事のある声だね。

 って……

 あっという間にひったくり犯を捕まえた、あの三人のおじいさん達は……


「マグノリア王!? ……と、側付きの二人!?」


 え?

 どういう事?

 確か、息子さんに譲位して……

 今はどうしているんだっけ?


「ははは! 悪者め! この、インロウの紋章が目に入らぬか!」


 側付きの一人が印籠を見せているけど……

 紋所じゃなくて紋章?

 でも、この世界に印籠なんてあるの?

 

 あぁ……

 絶対に吉田のおじいちゃんが絡んでいるよ。

 それにしても、三人とも生き生きしているね。

 王様も今の方が顔色がいいし。

 

 そういえば、ベリス王が販売している本にマグノリア王が世界中を旅して悪者退治をしているって書いてあったような……

 印籠を持って諸国漫遊?

 もう、これってアレだよね?

 あの時代劇だよね?

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