まだまだ知らない事ばかりなんだね
「ゴンザレス……オレといる時より楽しそうだ……」
ベリアルが悲しそうに話しているね。
「デートだから仕方ないよ」
「うぅ……でも、最近はオレもリリーとばかり一緒にいるから……ゴンザレスもこんなに寂しかったんだな」
「同じ立場にならないと分からないものだよね……」
「……うん。もしかして、皆に話してないだけでパートナーになってるのかな?」
「……うーん。ゴンザレスなら話してくれると思うけど」
「ナニヲ、シテイル?」
え?
ゴンザレスと一緒にいた女の子が話しかけてきた?
いつの間に屋根の上に来たの?
全然気づかなかったよ。
あれ?
今の声って……
「もしかして、聖獣王!?」
「ソウダ。サイキンハ、ゴンザレスト、コノセカイヲ、メグリ、ウマイ、オカシヲ、タベテイル」
「そうだったんだね」
なんだ。
デートじゃなかったんだ。
「サスガニ、ホンライノ、スガタデ、デカケル、ワケニ、イカナイ、カラナ。ガイアニ、ヒトカ、シテ、モラッテイル」
「人化? そうだったんだね。ゴンザレスがデートしているのかと思ったよ」
「デート? ソレガ、ナンダカ、シラナイガ、キョウハ、ヤタイガ、デルト、キイテ、キタ」
「あはは。おいしいお菓子を食べに来たんだね」
「ガイアノ、オカシノ、ホウガ、ウマイガ、コレハ、コレデ、ワルクナイ」
「綺麗な髪だったから女の子だって勘違いしたの。すっかりデートだと思い込んじゃったよ」
「ン? オンナ? セイジュウニハ、セイベツナド、カンケイナイゾ」
「そうなの?」
「コノセカイノ、ドラゴンモ、ソウダロウ? ヒツヨウナ、トキニ、セイベツヲ、カエレバ、イイ。ソレ、イガイハ、スキニ、イキテイル」
「なるほどね」
「ソレニ、キレイナ、カミ、ナラ、ニンゲンノ、オウモ、ソウダロウ?」
「え? あ、確かに。アルストロメリア王もサラサラの綺麗な髪だよね」
「ン? キョウハ、アノ、オカタハ、イナイノカ?」
「あのお方? えっと……誰かな?」
「ペルセポネガ『ウサチャン』ト、ヨブ、オカタダ」
「うさちゃん? お昼寝する島で寝ているよ。ベリス王がすごくフカフカのベットを新しく作ったから、そこから動きたくないらしくて」
「ソウナノカ」
「夜だけ冥界に戻って、それ以外はずっとその島にいるの。でも、どうしてうさちゃんを『あのお方』って呼ぶの?」
「ソレハ、アノオカタガ、マエノ、セイジュウオウ、ダカラダ」
「……え? 今……うさちゃんが聖獣王だったって言ったの?」
「ソウダ。ヤハリ、シラナカッタカ」
「それってどういう事? だって、うさちゃんはオケアノスが創り出したって……」
「イロイロ、アッタヨウダ。ト、イウヨリ、アノオカタハ、スベテ、ワスレタ、ヨウダナ」
「全て忘れた? 遥か昔、一体何があったの?」
あのうさちゃんが聖獣王だったって……
どういう事?