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似ている漢字でも全然意味が違うよね

「ははは。ずっといたぞ? じいちゃんは式に招待されてるからなぁ」


 吉田のおじいちゃんが嬉しそうに話しているけど……


「さすがアルストロメリアの救世主様だよ」


 皆から尊敬されているから招待されたんだね。


「ははは。そうだなぁ」


「それにしても、いつの間にふんどし姿の像を作ったの?」


「ん? 祟りと崇めるの違い……の時か? アルストロメリア王から像を作らせてくれって頼まれてなぁ」


「祟りと崇めるの違い? なんだっけ?」


「ははは。あの時ぺるぺるはアルストロメリアに来なかったからなぁ。王妃候補がバチバチだった時だ」

 

「あぁ。まだスウィートちゃんが見初められる前の宴の時か……」


「そうだなぁ」


「祟りと崇めるの違いみたいな事をしてきたってなんだったの?」


「んん? そうだなぁ。遥か昔、アルストロメリアの危機を救った『救世主』を崇める集団がいてなぁ」


「へぇ。でも、アルストロメリアの人間達は皆がケルベロスに乗った救世主を大切に想っているんだよね?」


「うーん……それとは違う崇め方だなぁ。救世主を神みてぇに崇めてなぁ……救世主の名の元に悪さをしてたんだ。『これは正義の為だ。救世主が望んでいる事だ』ってなぁ」


「酷い事をしていたの? そんなの本当の救世主は望んでいないはずだよ?」


「そうだろうなぁ。初めは純粋に救世主を崇めてたんだろうけど……だんだんカルト集団みてぇになっちまったみてぇだなぁ」


「カルト集団……? どんどん過激になっていったっていう事?」


「上の奴らが下の奴らを洗脳してなぁ……このままじゃダメだからじいちゃんがその洗脳を解いてやったんだ」

 

「それで? その集団はどうなったの?」

 

「騙されてた下の奴らは家に帰らせて、上の奴らはアルストロメリア王に引き渡した。これ以上は、じいちゃんが手出ししたらダメだと思ってなぁ」


「……そう。神様を敬う『崇める』と、神様が災いをもたらす『祟る』……か」


「似たような漢字でも全然違うよなぁ」


「うん。『幸せ』と『辛い』も似ているけど全然違うよね」


「そうだなぁ。『辛い』と『幸せ』は切り離せねぇもんだよなぁ」


「……え?」


「表裏一体……か?」


「表裏一体?」


 確か、切り離せないっていう意味だっけ?


「んん? あぁ……いや」


「……? おじいちゃん?」


 話しにくい事なのかな?


「幸せと辛いは紙一重……か」


「紙一重?」


 紙一重は『ほんの少しの違い』っていう意味だっけ?


「あぁ……これは違う話だけどなぁ……オケアノスに今度こそ幸せになって欲しくて、ぺるぺるの身体に魂を入れてからのこの数千年……じいちゃんは皆を巻き込んで辛い思いをさせた。でも今は……それぞれが幸せに向かっているんだなぁ」


「おじいちゃん……」


「ん? ゴンザレスが移動したぞ?」


「え? どこに?」


「ほれ。あっちだ」


 あっち?

 あ……

 今度はキャンディ屋さんに行ったね。

 ゴンザレスはすごく楽しそうだ。

 一緒にいる女の子にキャンディを手渡しているけど……

 あの女の子は誰なんだろう?

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