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知り合いがデートしていたら気になっちゃうよね

「レオンハルトのお兄さんが笑った時は驚いたよね。愛の力かなぁ」


 すごく幸せそうに笑っていて安心したよ。


「愛の力か……確かに愛の力は偉大だからな」


 ベリアルがペロペロキャンディを食べながら話しているけど……


「ベリアルもリリーちゃんと仲良しだもんね。ぐふふ」


 通い婚っていうのかな?

 リリーちゃんが第三地区に来たり、ベリアルがリリー島に行ったりしながら楽しく過ごしているみたいなんだよね。

 ぐふふ。

 ぐふふふ。

 

「グフグフ言うな! 変態め!」


 怒った振りをしているけど、すごく嬉しそうだ。

 ぐふふ。

 超絶かわいいよっ!


「あ! あっちにクッキーの屋台が見えるよ」


「え? クッキー? リリーのお土産にしたいな。ほら、買いに行くぞ!」


「ふふ。ベリアルの頭の中はリリーちゃんの事でいっぱいだね」


「うん! リリーは人混みが苦手だから一緒に来れなかったんだ。えへへ。かわいいお土産を渡したら喜ぶだろうなぁ」


「じゃあ、果物も買っていこうよ。リリーちゃんは果物が大好きだから」


「そうだな。果物の屋台はあるかな?」


「あるよ。ほら、あのゴンザレスがいる所……って……え!? ゴンザレスがいるよ!?」


 ゴンザレスが誰かと一緒に屋台でお菓子を食べている?

 今日は予定があるって言っていたけど。

 ……うーん?

 魔族……かな?

 ローブを着て顔を隠しているからよく見えないよ。

 人化している魔族か、第三地区の誰かかな?  

 それにしても、ゴンザレスがフヨフヨ浮いているのに人間達は全然怖がらないんだね。

 一応、聖獣っていう設定になっているからかな?

 ありがたいものを見ているような表情をしているよ。

 しかも、タダで色々もらっているみたいだ。

 ……ん?

 お礼に客引きをしているね。

 屋台に行列ができ始めたよ。

 

 あれ?

 一緒にいるのは女の子みたいだ。

 長い綺麗な髪が見えた。

 もしかして好きな子とデート……とか?


「ん? ゴンザレス? 今日は忙しいって言ってたけど……一緒にいるのは誰だ?」


 ベリアルのつぶらな瞳が女の子を真剣に見つめているけど……


「誰だろうね。でも、もしデートだったら邪魔したら悪いよ」


「そうだな。……でも、気になる」


「……うん。気にはなるよね」


「尾行するぞ」


「尾行?」


 でも、ゴンザレスは心が聞こえるからばれちゃうんじゃないかな?


「もし変な奴に騙されてたら大変だからな。ほら、ゴンザレスが移動したぞ。急げ!」


 うーん……

 いいのかな?

 これってデートなんじゃ……

 でも、気になる!


「うーん……少しだけ近づいてはみたけど、会話までは聞こえないね」


 まだ、三メートルは離れているし屋根の上だから当然か。

 

「何を話してるんだ? 相手は誰だ?」


 ベリアルは興味津々だね。


「本当だなぁ。相手は誰だ?」


 吉田のおじいちゃんも興味津々だね……って!?


「ちょっと!? いつからいたの!?」


 しかも、しっかりふんどし姿だし。

 あぁ……

 おじいちゃんはアルストロメリアの救世主様だって勘違いされているんだよね。

 この世界では、こんな裸に近い姿でいたら捕まるはずだけど……

 アルストロメリアの中央広場にふんどし姿のおじいちゃんの像が建ってから『ふんどし姿のヨシダ様が世界を救った』っていう話が世界中に広まったんだ。

 まぁ、確かにおじいちゃんは日々世界を見守っているんだけど……

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