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パートナーを家族に紹介する時ってソワソワするよな(1)

今回はベリアルが主役です。 

 リリーに抱っこされたまま第三地区に空間移動したけど……

 

 うぅ……

 さっきまでのオレの空回り振りを水晶で見られてたんだよな。

 絶対バカにされるよ。


 あれ?

 リリーの身体が小さく震えてるのが分かる。

 オレのせいだ。

 リリーは島から出たくなかったのに……

 他人の顔を見ると何を考えてるのか分かる占いができるから、心が苦しくなっちゃうんだ。


 それなのにオレのせいで……

 

「あれ? ベリアル、早かったね」


 広場からぺるみの嬉しそうな声が聞こえてきた?

 しかも、第三地区のじいちゃん達とばあちゃん達が忙しそうにご馳走の用意をしてるぞ!?

 これって……

 まさか……

 オレとリリーのお祝いなのか!?


 いや、絶対にそうだろ。

 

『ベリアル、リリーおめでとう!』

 って巨大な紙に書いて飾ってあるし。

 しかも、紙の端にぺるみが描いたであろう恐ろしい絵が……

 あれって……

 まさか……


「えへへ。ベリアルとリリーちゃんの似顔絵だよ? 頑張って描いたの」


 ぺるみが嬉しそうに話してるけど……

 怖っ!

 こいつの絵は闇を感じるから怖いんだよ!


「お? ベリアルが彼女を連れてきたって?」

「くうぅ! べっぴんさんだなぁ」

「姉ちゃんは見る目があるなぁ。ベリアルは最高だぞ!」

「さあさあ、こっちに来て朝飯にしようなぁ」

「ほれほれ、若い二人はこっちに座れ」


 第三地区の皆がすごい勢いでオレとリリーを座らせたな。

 でも、オレとリリーはじいちゃん達よりかなり年上なんだけど……


「「「……」」」


 なんだ?

 さっきまでの賑やかさがなくなって急に静かになったぞ?

 皆はどうしたんだ?


 って……

 これ以上ないくらいニヤニヤしながらオレとリリーを見てる?

 あ……

 そうか。

 オレがリリーにずっと抱っこされてるからか。

 でも、ずっとこうしていたいから膝から降りるつもりはないぞ。

 うーん……

 そんなに皆で見つめたらリリーが怖がるよな。

 ジロジロ見るなって言った方がいいかな?

 ……ん?

 リリーは驚いたような表情をしてるけど、嫌そうじゃない。

 むしろ嬉しそうに見えるような……?


「えっと……リリー? 大丈夫か?」


「うん……第三地区の皆さんの事は怖くない……みたい」


「……! そうか。顔占いをしても辛くならないか?」


「うん。思っている事と態度が一緒で全然怖くないよ」


「えへへ。ここにいる皆は優しくてさ、おもしろい事が大好きなんだ」


「……うん。ベリアルの大好きな場所はすごく素敵だね」


「……リリー。良かった。安心したよ。気に入ってもらえたんだな」


「ベリアル……皆さんにあの事を話してもいい?」


 あ……

 オレとリリーが一緒に暮らす事だよな?

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