表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1431/1484

ベリアル、自分が重い男だと痛感する

今回はベリアルが主役です。

 ヨシダのじいちゃん!?

 いつからいたんだ!?

 まさか、ずっと見てたのか!?


「リリーを好きな気持ちは分かるけどなぁ。いきなりグイグイいったら嫌われるぞ? 今のはかなり重かったしなぁ……」


 じいちゃんが呆れ顔で話してるけど……


「え!? 嫌われる!?」


 それは嫌だよ!

 しかも、かなり重かったって!?


「昨日会ったばかりなのにいきなり一緒に暮らすなんて、やっぱり不安もあるだろ。しばらくはベリアルがこっちに通えばいいんじゃねぇか?」


 じいちゃんがまともな事を言ってるけど……

 

「そうか……確かにそうかも……分かったよ。毎日遊びに来ても……いいか?」


 これも重いかな?


「うん。待ってる。いつかわたしが勇気を出して第三地区に挨拶に行けたら……『これからベリアルと一緒に暮らすリリーです』って言える日が来たら……一緒に暮らしてくれる?」


「……! うん!」


「はぁ……勇気を出して言葉にして良かった。これからもベリアルと一緒にいられるんだね」


「毎日遊びに来るからな」


「うん。毎日モモの種に水をあげようね」


「うんっ! 早くかわいい芽が出ないかな。えへへ」


 ドキドキする。

 ワクワクする。

 オレ……

 これから毎日こんな風に幸せに暮らせるのか。

 やっぱりオレはリリーに恋をしてるんだな。

 世界がキラキラして見えるってこんな感じなのか?

 じいちゃんもリリーもキラキラ輝いて見えるよ。


 って……

 ちょっと待て!?

 これってぺるみの神力じゃないか!?

 確か少し前にも同じような事があったよな?

 嬉しかった時とか、オレの事がかわい過ぎて興奮した時とかに神力が溢れ出してキラキラって……

 

 まさか、第三地区から水晶で見てたんじゃ……

 オレが重過ぎる事を言ってリリーにドン引きされる姿をずっと見てたんじゃないよな!?

 

 ……帰りたくない。

 ニヤニヤしながら根掘り葉掘り訊かれるぞ……


「リリー……オレ第三地区に帰りたくないよぉ。絶対バカにされるよぉ」


 このまま、この島にいたいよぉ。

 涙が溢れてきちゃったよぉ。


「ベリアル……涙が出るほど帰りたくないの?」


「だって、だって……第三地区の皆はこういう話が大好きなんだ」


「……よし」


「……? リリー?」


『よし』って……

 どうかしたのか?

 まさか……

 こんな軟弱なオレとはお別れしようっていう『よし』なのか?


「ベリアル……わたし……」


 うぅ……

 やっぱり呆れられたんだ。

『強い男になりたい』とか言ってるけど、実際は弱虫だから嫌われたんだ。


「リリー……オレに呆れちゃったんだな……」


「違うよ! 今から一緒に第三地区に行こう!」


「……え?」


 今……

 なんて……?


「今から第三地区に行って『ベリアルをパートナーにさせてください』って話しに行くの!」


「え!? リリー!?」


 島から出たくなかったんじゃないのか?


「ベリアルだけに辛い思いはさせられないよ!」


「リリー……」


 なんて優しいんだ……

 それに、頼もしい。

 オレ……

 どこまでもリリーに付いていくよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ