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オレはかわいいだけのヒヨコじゃないんだ!

今回はベリアルが主役です。

「大丈夫だ! オレは一人でおつかいだってできる強い男なんだ!」


 だから一人でこの果物を切れるんだ!


「そうか、そうか。じゃあ、頑張ってみろ。ベリアルは、すっかりお兄さんになったんだなぁ」


 ばあちゃんがニコニコ笑いながらナイフを渡してくれたけど、思ってたより大きいな。

 しかも先が鋭い……


「……うん! オレはゴンザレスとスーたんのかっこいい兄ちゃんなんだ!」


 とは言ったものの……

 ナイフが重い……

 パンみたいな翼だから上手く持てないよ。

 でも、頑張るんだ!

 リリーが一生懸命作った果物をぺるみに食べてもらうんだ!

 それにしても、第三地区の皆が身を乗り出して真剣に見てるけど……

 あれ、絶対に息をとめてるだろ。  

 まばたきもしてないし……

 創り物の身体だから元々息もまばたきもしないのか?

 オレが怪我をしそうで心配してるみたいだな。

 ん?

 ベリス王がオレを見ながら紙に何か描いてるような……

 新商品でも思いついたのか?

 例えば……


『ピヨピヨピヨちゃん。ナイフを持って初めてのお料理。上手に果物が切れるかな? 間違えておててを切らないように気をつけて!』


 とかいう感じか?


「ベリアル……おてては猫の手にするんだよ?」


 ぺるみ?

 心配そうにオレを見つめてるけど……

 手をネコの手にする?

 ん?

 ヒヨコの翼をネコの手に?

 どうやって?


 相変わらず、ぺるみの言う事はよく分からないな。

 

 プルプル震える翼でなんとか果物を切ると歓声があがる。

 ヨシダのじいちゃんは感動して泣いてるけど……

 泣くほどの事か?

 ん?

 ぺるみも泣いてるぞ……

 この二人はそっくりだよな。

 変態なところも、変な事ばかりするところもそっくりだ。


「ほら、ぺるみ。食べてみろ。つわりなら中の白いところだけを食べるといいらしいぞ」


「うん。ベリアル……わたしの為にもらってきてくれたの? ありがとう……いただきます。うわあぁ! すごく甘い!」


 ぺるみがおいしそうに食べてる。

 良かった。

 明日リリーに教えたら喜ぶだろうな。


「皆も一緒に食べよう! 皮のところも食べられるんだってさ」


 こうして、リリーが育てた果物を皆と食べると……

 本当に皮のところも食べられるんだな。

 サクサクしてほんのり甘くて旨いなぁ。


 それにしても第三地区の皆がぺるみの妊娠を喜んでるみたいだけど、この様子だと魂がない事は秘密にしてるみたいだ。

 イナンナは浮遊島に帰ったから、ぺるみが妊娠してる事は知ってても魂がない事は知らないんだよな?

 

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