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ベリアルとリリー島の魔族(6)

今回はベリアルが主役です。

「難しく考えても、答えなんてでないだろ? なんともならない時は、流れに身を任せてみるのもいいんじゃないか?」


 リリーの言う通りかもしれないな。

 この問題はオレだけの力でなんとかできる事じゃないんだ。


「……うん。オレには難し過ぎて頭がグルグル回って……フラフラ……する……」


 うぅ……

 目の前がグルグル回る……


「……え? あ! ベリアル!?」


 リリーが慌ててオレを支えてくれたけど……


「オレ……疲れて倒れたのか?」


「え? あはは! それもあるかもしれないが、この島は日に一度回転するんだ」


「……回転?」


「全ての果物に日が当たるようにな。それでクラクラしたんだろう」


「なるほど。それでフラフラしたのか……それにしても、すごいな。そんな事ができるのか」


「わたしの力じゃないんだ。魔法石が……ほら、あの噴水についているだろ? 変な奴が来て時々力を入れているんだ」


「変な奴?」


「そうだ。すごく変な奴でな。すぐに裸になりたがるんだ」


「へぇ。ヨシダのじいちゃんみたいな奴が他にもいるんだな」


「変な奴ではあるが……悪い奴ではない」


「そっか。完全にひとりぼっちじゃなかったんだな。安心したよ」


「ベリアルは本当に優しいな。……そろそろ帰った方がいい」


「え? もうそんな時間か? じゃあ種を植えないと」


「そうだな。三年後……どんな風に変わっていてもわたし達は友だ」


「うん! オレ達は友達だ!」


 こうして種を植えて第三地区に戻ると、ぺるみに果物を持っていく。

 って言っても重過ぎて持ち上げられないから転がしてるんだけどな。

 四角だから転がしやすいけど、結構疲れるかも……

 眩しくして寝ているぺるみを驚かせたくないから、ばあちゃんの家の外に空間移動したんだ。

 もう少しだから頑張って転がさないと……

 

「あれ? ベリアル?」


 ぺるみが広場にいる?

 寝てなくて大丈夫なのか?


「ぺるみ? もう平気なのか? 顔色も良くなってるし……」


「ベリアルが作ってくれた桃のヨーグルトを食べたら元気になったの」


「……え? そうなのか?」


「うん。さっぱりしておいしかったよ。ありがとう」


 ぺるみが笑ってる。

 ……はぁ。

 安心した。


「良かった……あ、そうだ。果物をもらったんだ。すごく栄養があるらしいから今、切ってやるよ」


「え? 大丈夫? ベリアルと同じくらい大きいけど……わたしが切ろうか?」


「大丈夫だ! ばあちゃん。よく切れるナイフをくれ!」


 一番よく切れるやつがいいな。


「んん? 本当に大丈夫か? ばあちゃんが切ってやるぞ?」


 ばあちゃんが心配そうにしてるな。

 でも……

 オレはかわいいヒヨコだけど果物を切れるんだ!

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