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『赤ちゃんだった頃にオムツを替えてやった』って言われた時の気まずさったらないよね

「さて、涙を拭いて幸せの島に帰ろうなぁ。ハデスちゃんをベットに寝かせてやろうなぁ」


 吉田のおじいちゃんの言う通りだね。

 

「うん。今帰ればベリアルとリコリス王国に行けるかな?」


 さっき、わたしの代わりにおばあ様に会いに行ってくれるって話していたけど。

 一人じゃ心配だからね。


「ルゥのばあちゃんなら優しいし、ベリアルも何度も会ってるからなぁ。一人でも大丈夫だろ?」


「そうなんだけど……ほら、ベリアルってアレだから」


「んん? アレ?」


「ほら、ケーキに足がはまって転んでそのまま食べ始めたり、この前なんて食べ過ぎて重くて飛べなかったんだから!」


「うーん。そうだなぁ。まぁそんなところがかわいいんだろう?」


「ぐふふ。そうなんだよ。堪らないよね」


「ぺるぺる……顔が緩みきってるぞ?」


「う……しまった。またやっちゃった」


「あはは。まぁぺるぺるは裏表がねぇからなぁ。良い事だなぁ」


「裏表? ベリアルは!? ベリアルはいつも何を考えているのかな!? 本当は『ぺるみ大ちゅき』とか考えていないかな?」


「うーん。それはじいちゃんの口からは言えねぇなあ。『変態ぺるみ』って考えている事は言えるけどなぁ」


「変態!? うう……そんな事ないもん……変態……じゃないもん……たぶん」


「ははは! まぁ、ぺるぺるの変態なんてかわいいもんだ」


「うう……吉田のおじいちゃんもわたしを変態だって思うんだね?」


「まぁ、真人間じゃあねぇよなぁ」


「うう……言い返せないよ」


「んん? ベリアルがリコリス王国に空間移動したみてぇだぞ?」


「え? こんなに離れていてもベリアルが見えるの!? 千里眼みたいだね! 間に合わなかったかぁ。今からわたしも行こうかな?」


「まぁ待て。一人で行くって言ったんだから行かせてやれ。自信もつくからなぁ」


「『甘やかすだけが愛情じゃない』って吉田のおじいちゃんは群馬でもよく言っていたよね」


「そうだなぁ。甘やかすのは簡単だし誰から見ても『良い人』になれるよなぁ。でも、甘やかされて育った奴は誰も助けてくれる人がいねぇ場所に行ったら何もできなくて困った事になっちまうだろう? だからじいちゃんは危ねぇギリギリまで見守るんだ。本当に危なくなるまでは助けねぇし、口も出さねぇ。ハラハラするけどなぁ。子供は自分で考えて行動する事が大事なんだ。子供だったら失敗しても赦されるだろ?」


「うん。そうだね。少し離れた場所から見守って本当に困ったら助けるんだね?」


「ぺるぺるもすっかりお姉さんになったなぁ」


「えへへ。恥ずかしいよ」


「じいちゃんが月海るみのオムツを替えていた頃が懐かしいなぁ」


「……! やめてよ! 本気で恥ずかしいから二度と言わないでっ!」


「あはは。ぺるぺるはかわいいなぁ」


 もう!

 ニヤニヤしないでよ!

 吉田のおじいちゃんが月海の時のわたしのオムツを替えていたなんて……

 うわあぁ!

 恥ずかしいよおお!

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