やらなければいけない事が山積みなのに身体が思い通りに動かない時ってあるよね
「ペルセポネ……だが……」
ハデスが心配そうにしているけど……
「本当に大丈夫だよ」
困るたびに助けてもらっていたら成長できないからね。
「ぺるみ。大丈夫か? ん? ハデスちゃんも来てたんか」
おばあちゃん……?
天界のレアーおばあ様の所から帰ってきたんだね。
今日は朝からタルタロスのクロノスおじい様に会いに行って、その帰りに天界でお茶をするって言っていたんだ。
もしかして、吉田のおじいちゃんが呼びに行ってくれたのかな?
お母様もいるね。
「ペルセポネ……大丈夫? あぁ……顔色が悪いわ」
お母様が心配そうにわたしを見つめている。
「……気持ち悪くて」
「……そう。ねぇ? 月のものが二か月前から始まったでしょう?」
「……ん? うん。まだ始まったばかりで安定しなくて……」
「最近は……どう?」
「最近? うーん……? いつだったかな? しばらく、ないような……」
「……そう」
お母様が何かを考え込んでいるけど……
(変ね。妊娠していれば気づくはずなのに……)
あ……
お母様の心の声が流れ込んできちゃった。
聞かないようにしないと。
集中して……
よし。
これで大丈夫だね。
「ぺるみ……少し腹の具合をみてみるか」
おばあちゃんがお腹を撫でているけど……
「食べ過ぎだと思うの」
「……うーん。そうか……」
「今日は朝からずっと食べていたから」
「ぺるみ……腹も身の内だぞ?」
「うん。……はぁ。ルゥの頃はいくら食べても全然平気だったのになぁ」
「今はゆっくり休め。今日はベリス王の仕事も忙しくねぇんだろ?」
「ぬいぐるみの洗濯師の仕事も世界一周し終えたから、最近は第三地区で商品の検品をしたりデザインを考えたりしているんだよね」
と言ってもわたしは怖い絵しか描けないんだけど。
「これからは、のんびり過ごせ。疲れが出たんだろ……少し眠れ」
「うん。すごく眠いの。ベリアル……桃のヨーグルトは後で食べるからね」
パンみたいなかわいい翼で一生懸命作ってくれたんだから絶対に食べないと。
「そんなのは気にするな。早く眠れ。ほら、ハデスも一緒に外に行くぞ」
ベリアルがかわいい翼でハデスの服を引っ張っている。
重そうに持っているヨーグルトをハデスが持ってあげたね。
「あぁ……そうだな。オークに胃薬を作らせるからな」
ハデスが心配そうにわたしを見つめている。
早く元気にならないと。
「うん。ありがとう。おやすみ……ハデス」
疲れが溜まっていたのかな……
今夜も天界の使者の弱みを握る為にこっそり情報収集しないといけないから、今はゆっくり休んでおこう。