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ハデスは魔族に充電する事ができました

「吉田のおじいちゃん!? なんで一緒に来ているの!?」


 わたしとハデスの二人きりだと思っていたのに。

 鍛錬の島には、ちゃんと着いたんだよね?

 全然違う場所には来ていないよね?


「てへっ! 来ちゃったっ!」


「てへっ! じゃないでしょ!」


「ええ? じいちゃん分かんなーい」


「もう! すぐごまかすんだから!」


「まぁ待て。ハデスちゃんを見てみろ」


「え? ハデスを? まさか……わたし空間移動を失敗しちゃった!? 身体が裂けちゃっていないよね!?」


「そうじゃねぇさ。怒りに任せて闇に近い力を使っちまっただろ? 天界での戦いの時は魔族がいなかったから良かったけどなぁ。天族は闇に弱いからなぁ。ちょっとの闇でも苦しくて仕方ねぇんだ。だから、そんなに力を使わなかったけど、今回は相手が魔族だっただろ? だからハデスちゃんは力を使い過ぎちまったんだ」


「魔族相手だと力を使い過ぎるってどういう事? 天族はちょっとの闇の力で倒せるけど、魔族は闇の力じゃ倒せないんじゃないかな? むしろ魔族の皆は心地良さそうだったよ?」


「その通りだ。魔族に充電したみてぇなもんだな。『フル充電されて腹がパンパンになったから動けなくなった』って言えば分かりやすいか?」


「じゃあ、魔族の皆は無事なんだね? 良かった」


「ぺるぺるは人がいいなぁ。他の奴ならこう思うはずだぞ? 『魔族から力を奪わないと襲われる』ってなぁ」


「え? そんな事無いよ? 魔族の皆は優しいもん」


「確かにあの場にいた魔族は皆知り合いだからなぁ。ハデスちゃんの力を使って悪さはしねぇだろうなぁ。でもぺるぺるはもっと疑うって事をした方がいいなぁ」


「疑う……? 魔族の皆を?」


「魔族も人間も天族もだなぁ」


「そんな事できないよ」


「……まぁぺるぺるはそうだろうなぁ。さて、幸せの島に戻るか」


「え? もう帰るの? ハデスが落ち着いたら……ってあれ? フラフラしているよ!? 大丈夫!?」


 ハデスがわたしの腕に倒れ込んでくる。

 力を使い過ぎちゃったのかな?

 砂浜でハデスに膝枕するとおじいちゃんが優しく笑っている。


「ハデスちゃんは充電切れだなぁ。幸せの島でゆっくり寝かせてやろうなぁ。じいちゃんが空間移動してやるからなぁ、ぺるぺるがした事にするんだぞ?」


「……うん。ありがとう。じゃあさっきの空間移動も吉田のおじいちゃんがしてくれたの?」


「いや、じいちゃんは自分だけしかしてねぇからなぁ。ぺるぺるは、ちゃあんとできてたぞ?」


「そっか、良かった……ハデスはすぐ元気になる?」


「ああ。一時間もすりゃ元気になるさ」


「わたしのせいだよ。わたしが『ちょっとエッチな下着が……』なんて言ったから、こんな事になったの」


「そうじゃねぇさ。これで良かったんだ」


「これで良かったって?」


「じいちゃんは大昔、この世界を創ったんだ」


 え?

 この世界を創った?


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