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レオンハルトの物語(22)

今回はレオンハルトが主役です。

「仕方ないだろう! 陛下には子種がないのだから!」 


 ……え?

 今……

 王妃は何を……?


「だからといって二人も子を作る必要があったのか!?」 


 おじい様……?

 ……父上に……子種が……ない?

 では……

 わたしは……

 誰の…… 

 

「……おじい……様?」


 嘘だ……

 聞き間違いに決まっている……


「……!? レオンハルト!? いつから、そこに……」


 わたしの存在に気づいたおじい様が慌て始めた……?

 

「……いたのか。第二王子……」


 王妃がわたしを睨むように見つめている。


「今の話は……そんな……」


 嘘だ……

 嘘だ……


「レオンハルト……これは……その……」


 おじい様がその場に座り込んだ。

 真っ青な顔をして震えている。


「聞かれたか……まぁ、いい。聞かれたところでなんの問題もない」


 王妃が乱れた髪を撫でながら、わたしに向かい歩いてきている。


「……まさか……父上は子を作れない身体……」


「そうだ。その通りだ。あの役立たずの形だけの陛下には子種がなくてな……それは第一王子の母親が王妃になってから分かったのだ」


「そんな……では、兄上も……」


 父上の子ではなかったのか……


「だが、陛下は王になる時に邪魔な兄弟を消していたからな。子種がない事を知られれば公爵家に王座を奪われるのは時間の問題だった。そうなれば陛下は生きてはいられないだろう? だから第一王子の母親に男をあてがったのだ。そうして第一王子が産まれた」


「……そんな……そんな……」


 信じたくない……

 信じたくないが……

 自分の子ではないから、父上はわたし達兄弟を心から愛してくれなかったのか?

 どうなっても構わないと見て見ぬ振りをしていたのか?


「だが、陛下は思ったのだ。身体に問題があるのは王妃ではないか……とな」


「……それで……母上を迎えた……?」


「だが、やはり子は授からなかった」


「わたしは……わたしの父親は……」


 わたしは……

 誰の……


「もう生きては、いないだろう。わたしの相手も陛下に殺されたからな」


「……そんな」


「あの気の小さい父上が……そんな酷い事を……」


「陛下は臆病ゆえにわたしにも思いつかぬような恐ろしい事をするのだ」


「……え?」


「お前はこう思っているのだろう? わたしが第一王子の母親とお前の母親を毒殺したと」


「……? まさか……そんな……」


 父上が母上を……?

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