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意味が分からないで恥ずかしい事を言っている時ってあるよね

「待って! イフリート王、ベリス王!」


 って、ベリアルと話している間にもうやられている!?

 ごめんね。

 わたしのせいだ。

 ん?

 でも辛そうじゃないね?

 むしろ、二人の身体にハデスの闇に近い力が満ち溢れているような?

 魔族だから闇に近い力で充電中……みたいな感じなのかな?

 

「ハデス! もうやめて!」


 ダメだ。

 全然聞こえていないよ。

 こうなったら……

 吉田のおじいちゃんが教えてくれた秘密の言葉を言うしかない!


「ハデス!」


 ダメだ。

 聞こえていないみたい。

 耳元に行かないと聞こえないくらい興奮しているんだ。

 

「ぺるぺる! じいちゃんが風で守ってやるからハデスちゃんに近づけ!」


 吉田のおじいちゃん!

 ありがとう!

 さすが初代の神様の風の力だよ。

 ハデスの闇に近い力を弾いている。


「ハデス! 聞いて!? わたしだよ?」


「ゼウス……赦さない」


 ダメだ。

 お父様をロックオンしているから、わたしの言葉が聞こえていないよ。


「ペルセポネ……逃げて……」


 あぁ……

 お父様……

 今助けてあげるからね。


「ハデス!」


 やっぱり耳元で話さないとダメか。

 よし。

 なんとか目の前まで来たよ。

 えっと、確か……


「(ハデス……こ……つ……な……)」


 これでいいのかな?

 吉田のおじいちゃんが教えてくれた秘密の言葉……

 合っているよね?


「ペ……ペルセポネ……どこでそんな言葉を……」


 よし!

 ハデスが落ち着いたみたいだ。

 あれ?

 倒れている魔族の皆が気まずそうにしている?

 魔族は耳がいいから聞こえたんだね。

 でも、なんで気まずそうなんだろう?


「ペルセポネ……お父様悲しいよぉ。ペルセポネがそんな事言うなんて悲しいよぉ」


 ……?

 お父様、泣いている場合じゃないよ?

 またハデスが暴走するかもしれないんだから!

 

 できるかな?

 ハデスに教えてもらった空間移動。

 まだ一人でしかやった事がないけど。

 失敗したら身体が二つに裂けちゃうんだよね。

 でも、できる……できるよ!

 わたしならできる!


「お父様、下着は返してもらうよ! 皆、本当にごめん。ハデスが落ち着いたら帰ってくるよ!」


 慌ててお父様から下着を取り上げると魔族の皆に謝る。

 誰も怪我はしていないみたい。

 治癒は必要ないね。

 むしろ、魔族の皆にはハデスの闇に近い力の攻撃が心地いいみたいだ。


 リコリス王国のおばあ様の所には、あとで行こう。

 ハデスがまたいつ暴れだすか分からないからね。


 集中しよう。

 空間移動は命がけだ。

 移動先はどこにしよう。

 うーん。

 そうだ!

 鍛錬の島!

 今は魔法石も無いから安心だよ。

 

「ハデス! 行くよ!」


 なぜか顔が赤くなっているハデスと手を繋ぐと空間移動を始める。

 上手くいって!


「ぺるみ! ルゥのばあちゃんにはオレから言っておくからな!」


 え?

 ベリアル?

 ベリアルがわたしの代わりにルゥのおばあ様に話してくれるの?

 そんな……

 初めてお使いに行くアレみたいだよ。

 感動して泣いちゃいそうだよ。

 立派になったね。

『ピオ』とか言っていたのに。

 ぐすん……

 って、今は集中だよ!

 鍛錬の島!

 鍛錬の島に行くよ!


 

 上手くできたかな?

 目を開けると……

 良かった。

 わたしもハデスも吉田のおじいちゃんも無事に空間移動しているよ。

 って!?

 はぁ!?

 なんで吉田のおじいちゃんまでいるのぉぉ!?

 ニヤニヤ笑っているし。

 嫌な予感しかしないよ……


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