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レオンハルトの物語(6)

今回はレオンハルトが主役です。

 あぁ……

 少し前まではルゥを想うと胸が苦しくなったが、今は違う。

 わたしの心は、いつの間にかアンでいっぱいになっていたのだな。


「おばあ様……」


 ずっとわたしを心配してくれているおばあ様には、きちんと話しておかないと。

 おばあ様には三人の子がいて、その中の二人の娘……

 わたしの母と、ヘリオスとルゥの母を喪っている。

 二人とも王に嫁いだが王妃と側室に命を奪われたのだ。

 だから、おばあ様はわたしとヘリオスとルゥ……

 今はペリドットか……

 我々の幸せを心から願ってくれている。

 あ、今はココもおばあ様の娘という事になっていたな。

   

「何かしら?」


 おばあ様が嬉しそうに微笑みながら尋ねてきた。

 少し恥ずかしいが……

 勇気を出して話そう。


「わたしは……今回の件が解決したらアンを……アンジェリカを王太子妃に迎え、プルメリアを幸せへと導こうと思っています」


「……そう。安心したわ。ヘリオスもココちゃんもペリドットちゃんも幸せに暮らしているのに、レオンハルトだけが一人でいて心配していたの。アンジェリカちゃんならかわいいレオンハルトを安心して任せられるわ。それに、民を思いやれる立派な王太子妃になるはずよ」


「……はい。わたしにはもったいない素敵な女性です」


「ふふ。あの殿下が溺愛しているアンジェリカちゃん……まだ殿下にきちんと話していないのよね?」


 殿下……か。

 アンのおじい様の事だな。


「はい。今回の件が解決したら話しに行こうかと……」


「大変ねぇ。覚悟した方がいいわよ?」


「え?」


「殿下はアンジェリカちゃんをずっと手元に置きたいと思っているのよ。それがいきなり他国の王妃に……これは、揉めるわよ」


「……そんな! まさか……反対されるなんて事は……」


「あるでしょうねぇ。ふふ。もし、そうなったらわたくしが殿下の邸宅に乗り込んで説得してあげるわ」

 

「乗り込む……? まさか大砲を撃ち込んだりはしませんよね?」


「ふふ。さすがに海から邸宅までは届かないわよ」


「はぁ……安心しました」


 ん?

 でも、届く距離なら撃ち込んだのか?


「殿下は……アルストロメリア王国から追放されるようにリコリス王国に来て……それからは何よりも家族を大切にしてきたの」


「……わたしもプルメリアから追放されるようにリコリス王国に来ましたから。その事を知った公爵には何度も相談に乗っていただきました」


「ふふ。殿下はレオンハルトをかわいい孫のように思っていると手紙に書いていたわ」


「……! ではアンとの事も……」


「あらあら。それとこれとは話が別よ。『アンジェリカ』という名は殿下が憧れている女神様を想ってつけたらしいわ」


 女神様……?

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